「Surface Wave Radar」は、主に**短波帯表面波レーダー(High-Frequency Surface Wave Radar, HFSWR)**と、**表面波探査(Surface Wave Survey)**の二つが考えられます。
🌊 短波帯表面波レーダー(HFSWR)
これは、電波を利用した海洋監視用のレーダーシステムです。
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⚡️ 仕組み: 短波帯の電波(数MHzから数十MHz)が、大地の導電性によって地表や海面に沿って回り込むように伝わる性質(表面波)を利用します。通常のレーダーでは水平線に遮られて見えない**見通し外(Beyond-the-Horizon)**の目標を観測できます。
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🔭 特徴:
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広範囲の監視: 水平線を越えて数百kmの範囲を監視可能です。
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目標: 海上の船舶や航空機の探知・追尾に使われます。
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海洋観測: 海面を伝わる電波が波浪(海面の波)によって散乱する現象を利用し、海流や波高などの海洋環境を観測するのにも用いられます。
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⚓️ 用途: 領海・排他的経済水域(EEZ)の広域監視、密漁・密輸対策、海洋情報収集など、海上保安・防衛の分野で重要視されています。
⛰️ 表面波探査(Surface Wave Survey/Method)
こちらは、地震波を利用した地盤調査の手法の一つです。
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💥 仕組み: 地盤に人工的に**振動(弾性波)を発生させ、その振動に含まれる表面波(レイリー波など)**が地表を伝わる速度を、複数のセンサー(受振器)で測定します。
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📏 特徴:
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速度と硬さ: 表面波の伝わる速度は、その波が到達する深さの地盤の**硬さ(S波速度)**に依存します。硬い地盤ほど速く伝わります。
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深さの推定: 表面波は周波数によって伝わる深さが変わる性質(分散性)があるため、周波数の変化を利用して地盤の深さ方向の構造や硬さの変化を推定できます。
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🏠 用途: 住宅や土木構造物の建設前の地盤調査、地盤の支持力や液状化の可能性の評価などに使われます。





