外部レーザー方式(ELS: External Laser Source)の具体的な例としては、以下のような製品や、それを実現するための業界標準化の取り組みが挙げられます。
💡 外部レーザー方式 (ELS) の具体例
1. QSFPフォームファクタを採用したELSモジュール
CPOシステムでは、レーザー光源をASICパッケージから分離し、ホットスワップ可能なプラグインモジュールとして提供するケースが一般的です。
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古河電気工業のELS:
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製品の形態: 従来の光トランシーバーで広く使われている業界標準のフォームファクタである**QSFP(Quad Small-Form Factor Pluggable)**に準拠したELSモジュールを開発・発表しています。
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仕組み: このモジュール内部には、高出力のDFBレーザーダイオードが搭載されており、**偏波保持ファイバー(PMF: Polarization-Maintaining Fiber)**を介して、スイッチ基板上のCPOパッケージ(シリコンフォトニクスチップ)に光を供給します。
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特徴: ホットスワップ対応により、システムの電源を切らずにレーザー光源の交換やメンテナンスが可能となり、システムの信頼性と運用性が向上します。
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Ayar LabsのSuperNova™:
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コンセプト: リモート光源モジュールとして提供され、光ファイバーを介してCPOモジュールに光を供給します。
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特徴: CW-WDM MSA(Continuous Wave-Wavelength Division Multiplexing Multi-Source Agreement)という業界標準に準拠した16波長の光を提供し、高い電力効率と性能を両立させています。
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2. OIF (Optical Internetworking Forum) の標準化活動
複数の企業が相互接続可能なCPO/ELSシステムを開発するため、業界団体であるOIFが仕様の標準化を進めており、これも具体的なアーキテクチャの実現例と言えます。
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ELSFP (External Laser Source Form-factor Pluggable):
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OIFは、CPO向け外部レーザーモジュールの共通仕様「ELSFP」の策定を進めています。
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目的: 異なるメーカーの**CPO光エンジン(COE)と外部レーザーモジュール(ELS)**が相互運用できることを目指しています。
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3. NVIDIAなどのCPOスイッチ
NVIDIAが量産を表明したQuantum-X Photonics(InfiniBandスイッチ)やSpectrum-X Photonics(Ethernetスイッチ)は、CPOを採用していますが、その中核技術である光エンジンは、外部から光を供給されることを前提とした構造となっています。
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TSMCのCOUPE™ (Compact Universal Photonic Engine) 技術:
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NVIDIAのCPOパッケージに採用されている技術で、ASICの電子ダイの上にシリコンフォトニクス(PIC)ダイをスタック(積層)して光エンジンを構成します。
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この光エンジン自体にはレーザーは搭載されておらず、外部のELSモジュールから光ファイバーを通じて光を受け取ります。
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🛠️ ELSの主なメリットと理由
CPOシステムで外部レーザー方式が好まれるのは、レーザーダイオードが熱に弱いという特性を解決するためです。
| メリット | 詳細 |
| 熱管理の分離 | スイッチASICは非常に大きな熱を発生させます。レーザーは高温になると性能が低下し、寿命が短くなるため、ASICから物理的に離れた低温の場所(筐体の前面パネルなど)に配置することで、信頼性が大幅に向上します。 |
| メンテナンス性 | レーザーは他の半導体部品に比べて故障率が高いため、プラグインモジュールとして設計することで、システム全体を停止することなく、故障したレーザーモジュールのみを交換(ホットスワップ)できます。 |
| 光の安全性 | 高出力のCW(連続光)レーザーを筐体の奥に格納することで、光ファイバーが外れた際の目への安全リスクを管理しやすくなります。 |
一方で、外部レーザー方式では、ファイバーを介して光を伝送する際に光パワーの損失が発生することが、デメリットとして挙げられます。
ありがとうございます。
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