新光電気工業株式会社の i-THOP (integrated Thin film High density Organic Package) は、Co-Packaged Optics (CPO) を含む次世代の光電融合デバイスを実現するための重要な高密度パッケージ基板技術です。
これは、従来のパッケージングの課題を解決し、高性能なロジックチップ(CPU、GPUなど)と光エンジンを高い集積度で接続するために開発されました。
1. i-THOPの概要と特徴
i-THOPは、主に2.3次元パッケージ用の基板技術として位置づけられます。
| 項目 | 詳細 |
| コンセプト | 有機インターポーザとビルドアップ基板を一体化した高密度配線基板。 |
| 構造的特徴 | ビルドアップ基板層をベースとし、その上に**薄膜層(微細配線層)**を多層形成した構造を持っています。 |
| 薄膜層の役割 | 狭ピッチ配線と多数のI/O端子を形成し、ロジックチップとメモリチップ(HBMなど)や光チップレットなど、チップ間の信号接続を担当します。 |
| ビルドアップ基板の役割 | 薄膜層と外部端子との間のピッチ変換機能を担当します。 |
| 製造方法 | パネルプロセスによる製造が可能であり、大型化する高性能半導体パッケージに対応できます。 |
2.5Dパッケージとの違い
従来の高性能パッケージの主流は、シリコンインターポーザを用いた2.5次元パッケージ構造でした。i-THOPは、これに代わる技術として開発されており、有機材料をベースにすることで、シリコンインターポーザに比べて低コスト化や大型化への対応のしやすさが期待されています。
2. CPO/OBOへの貢献 (光電融合)
CPO (Co-Packaged Optics) の最大の目的は、スイッチASICと光エンジン間の電気配線距離を極限まで短縮し、消費電力と遅延を大幅に削減することです。
i-THOPは、このCPOの要求を満たすための統合プラットフォームとなります。
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異種チップの混載: i-THOPの高い配線密度と大型パッケージへの対応能力により、ロジックチップ(ASIC/CPU/GPU)と光チップレット(光エンジン)を、高い精度と狭い間隔で同一パッケージ基板上に搭載・接続できます。
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高密度接続: 薄膜層の微細配線技術は、電気信号の接続距離を短く保ち、高周波特性を確保しながら、多数の光チャネルに対応するための信号伝送路を提供します。
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製造プロセス: 新光電気は、このi-THOPを核として、光学実装技術や光配線技術を組み合わせることで、光電融合デバイス、すなわちCPO/OBOモジュールの実現を目指しています。
i-THOPは、光通信分野における小型化、高集積化、高速化のトレンドに対応するための、新光電気工業の中核的なパッケージングソリューションです。
APNは、IOWN構想が目指す「高速・大容量、低遅延、超低消費電力」な次世代のデジタル社会を実現するための「神経網」の役割を果たします。(NTT・NTTイノベーティブデバイス・NXTEC・古河電工・新光電気)
この動画では、オールフォトニクス・ネットワーク(APN)が従来の通信とどのように異なり、超低遅延や超大容量を実現するのかについて詳しく解説されています。
オールフォトニクスネットワーク(APN)とは? APNの概要をわかりやすくお伝えいたします。
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