光電融合デバイスは、NTTが推進するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の中核をなす技術であり、そのロードマップは**「光」による接続領域を段階的に広げていく**という明確な目標に基づいて策定されています。
このロードマップの最終目標は、現在の電子デバイスと比較して消費電力を1/100に削減し、伝送容量を大幅に向上させることです。
📅 光電融合デバイスのロードマップ(NTT IOWN構想)
光電融合デバイスの開発は、電気配線を光配線に置き換える適用領域を、データセンター全体からチップ内へと、段階的に短距離化・高密度化していく形で進められています。
| 開発フェーズ | 目標年度(概ね) | 適用領域 | 特徴と実現される効果 |
| IOWN 2.0 | 2025年度 | ボード間接続 | サーバーボード間やラック間の通信を光化。装置の低消費電力化とパフォーマンス向上を図ります。 |
| IOWN 3.0 | 2028年度 | チップ間接続 | CPUやGPUなどの演算用チップと光電融合デバイスを同一パッケージ内に実装(Co-Packaged Optics: CPO)。ボードのさらなる小型化と低消費電力化を実現。 |
| IOWN 4.0 | 2032年度以降 | チップ内接続 | チップ内部の配線まで光化。電子回路と光回路の完全融合を目指し、電力効率を100倍にすることを目指します。 |
🛠️ 各フェーズの具体的な技術と取り組み
1. IOWN 2.0フェーズ:ボード間接続(現在の取り組み)
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デバイスの例: 光通信ネットワーク用光電融合デバイス「PEC-1」がすでに商用化されており、次世代の「PEC-2」の開発が進められています。
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技術: 光電融合スイッチがこのフェーズの鍵となります。これは、ディスアグリゲーティッドコンピューティングにおいて、リソースプール(CPU、メモリ、GPUなど)を柔軟に接続・切り替える役割を担います。
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目標: まずは**サーバー間(ラック間)**の長距離・大容量通信から光化を進め、データセンター全体の電力効率を改善します。
2. IOWN 3.0フェーズ:チップ間接続(Co-Packaged Optics: CPO)
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技術: Co-Packaged Optics (CPO) と呼ばれる実装技術が中心となります。これは、高発熱・高電力消費の電子チップ(ASICやCPU)のすぐ横に、光信号を扱う光デバイスを配置・集積する手法です。
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効果: チップ間の電気配線による電力損失と遅延を大幅に削減し、低遅延・高密度なデータ転送を実現します。
3. IOWN 4.0フェーズ:チップ内接続
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技術: チップ上の電子回路と光回路をさらに高密度に集積・融合させる技術を開発します。
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最終目標: チップ内の短距離配線(数 cm 程度)まで光に置き換えることで、データ転送に伴う電力消費を極限まで低減し、電力効率100倍を達成します。
このロードマップに基づき、NTTは国内外のパートナー企業と連携し、光電融合デバイスの実用化と市場投入を加速しています。
APNは、IOWN構想が目指す「高速・大容量、低遅延、超低消費電力」な次世代のデジタル社会を実現するための「神経網」の役割を果たします。(NTT・NTTイノベーティブデバイス・NXTEC・古河電工・新光電気)
この動画では、オールフォトニクス・ネットワーク(APN)が従来の通信とどのように異なり、超低遅延や超大容量を実現するのかについて詳しく解説されています。
オールフォトニクスネットワーク(APN)とは? APNの概要をわかりやすくお伝えいたします。
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