OIF-HB-CDMは、OIF (Optical Internetworking Forum) という業界団体によって規格化された、High-Bandwidth Coherent Driver Modulator(広帯域コヒーレントドライバ変調器) の実装合意(Implementation Agreement: IA)です。
これは、超高速のコヒーレント光通信システムで使われる中核部品であり、以下の2つの主要な機能を一体化したモジュールです。
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光変調器 (Modulator):電気信号を光信号に変換し、位相・振幅を多値変調(例:DP-QPSK、DP-16QAM、DP-64QAM)する部分です。一般的にマッハツェンダー変調器(MZM)が使われます。
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ドライバIC (Driver IC):変調器を駆動するために、入力された電気信号を増幅する集積回路です。
1. OIF-HB-CDMの主な目的と特徴
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高速・大容量化への対応: データレートが400Gbps、800Gbps、さらには1.2Tbps(1テラビット/秒)といった次世代のコヒーレントシステムに対応するために開発されました。
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高ボーレート (Baud Rate) の実現: 従来の変調器よりも遥かに高いボーレート(例:64Gbaud、96Gbaud、128Gbaud以上)をサポートします。
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広帯域性: 高いボーレートを実現するため、電気-光変換帯域幅(E/O Bandwidth)が非常に広く設計されています(例:40 GHz、65 GHz、80 GHz以上)。
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小型化・低消費電力化: ドライバICと変調器を同一パッケージに集積することで、従来の個別部品構成よりも小型化・低消費電力化が図られています。
2. OIF-HB-CDMの規格バージョン
OIFは、システムの進化に合わせて規格を更新しています。
| 規格バージョン | リリース時期 | 主なターゲットボーレート | 主なターゲット容量 |
| HB-CDM 1.0 (OIF-HB-CDM-01.0) | 2018年 | 最大 64 Gbaud | 400G+ メトロ・長距離 |
| HB-CDM 2.0 (OIF-HB-CDM-02.0) | 2021年 | 64 Gbaud, 96 Gbaud, 128 Gbaudまで | 800G以上の次世代システム |
3. 波長範囲
前回の回答にも関連しますが、OIF-HB-CDMモジュールが対応する波長範囲は、光通信で広く使われる以下の波長帯です。
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Cバンド (1530 nm ~1565 nm 程度)
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Lバンド (1565 nm ~ 1625 nm 程度)
製品によっては、C+Lバンドを広くカバーするように設計されています。
OIF-HB-CDMは、これらの超高速・大容量の光通信を実現するためのデファクトスタンダードとして、多くのメーカーが製品を開発・提供しています。
参考:
APNは、IOWN構想が目指す「高速・大容量、低遅延、超低消費電力」な次世代のデジタル社会を実現するための「神経網」の役割を果たします。(NTT・NTTイノベーティブデバイス・NXTEC・古河電工・新光電気)
この動画では、オールフォトニクス・ネットワーク(APN)が従来の通信とどのように異なり、超低遅延や超大容量を実現するのかについて詳しく解説されています。
オールフォトニクスネットワーク(APN)とは? APNの概要をわかりやすくお伝えいたします。
ありがとうございます。
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