総務省の電波利用環境委員会において、**CISPR 16-4-2(測定の不確かさ)**の国内導入と運用指針の策定は、EMC試験結果の「適合性判定」に法的・技術的な根拠を与える極めて重要なプロセスです。
特に、測定機器の高性能化や高周波化(5G/6G、4.5GHz帯など)に伴い、不確かさの算出モデルをいかに現実に即したものにするかが議論の焦点となっています。
1. CISPR 16-4-2の核心:不確かさの考慮による合否判定
この規格の最も重要な役割は、**「測定値が許容値(Limit)に近い場合にどう判定するか」**というルールの確立です。電波利用環境委員会では、国際的な整合性を保つため以下の原則を国内基準に採用しています。
-
Ulab ≦ Ucispr の場合:
試験所が算出した不確かさ(Ulab)が、規格で定められた基準値(Ucispr)以下であれば、測定値が許容値を超えていない限り「合格」と判定します。
-
Ulab > Ucispr の場合:
不確かさが基準値を超えている場合は、その超過分(Ulab - Ucispr)だけ判定基準を厳しくしなければなりません。
2. 不確かさバジェットの主要因子
委員会では、放射妨害波測定における不確かさの要因を細分化し、それぞれの寄与率を評価しています。4.5GHz帯のような高周波測定では、以下の項目の重要度が増します。
| 要因カテゴリ | 具体的な要因(不確かさの成分) |
| 受信系 | レシーバの正弦波精度、パルス応答特性、入力整合(VSWR)。 |
| アンテナ・治具 | アンテナ係数の校正精度、変換アダプタ・ケーブルの損失と反射。 |
| サイト特性 | サイトの不完全性(SVSWR、NSAの偏差)、相互結合。 |
| セットアップ | EUT(被試験機)の配置の再現性、ケーブルの引き回し。 |
3. 2026年現在の審議動向と高度化
電波利用環境委員会では、より複雑な測定系における不確かさの扱いについて議論を深めています。
-
接続治具の不確かさ評価:
4.5GHz帯の評価などで使用される2cmの変換アダプタ(N-SMA)や特定のテストフィクスチャが、全体の不確かさにどの程度寄与するかを数学的にモデル化する手法(Sパラメータを用いたミスマッチ誤差の算出など)。
-
統計的アプローチの導入:
従来の最悪値評価だけでなく、モンテカルロ法などを用いたより高度な不確かさ解析手法の国内試験所への普及促進。
-
1GHz超の拡張:
1GHz〜18GHz、さらにはテラヘルツ帯を見据えたSVSWRに起因する不確かさの推定精度の向上。
4. 実務およびiNARTE試験への影響
-
iNARTE対策:
「包含係数 $k=2$(信頼水準約95%)」「感度係数」「合成標準不確かさ」の計算方法は、16-4-2の基本として必ず問われます。また、規格が定める $U_{cispr}$ の代表値(例:3m法放射エミッションで 6.3dB(1GHz超))などの数値を把握しておくことが推奨されます。
-
エンジニアリングへの示唆:
現在DUTの評価で誤差計算を行われている際、単に「アダプタの損失 0.x dB」を差し引くだけでなく、その損失値自体の**不確かさ(校正証明書のデータ)や、コネクタ接続時の再現性(着脱による変動)**を不確かさバジェットに組み込むことで、CISPR 16-4-2に準拠したより堅牢な評価データとなります。
電波利用環境委員会の報告書(特に「情報通信設備から発生する電磁波の強度の測定方法」等)は、これらの複雑な計算を日本国内の試験環境に即して具体例付きで解説しているため、実務上の不確かさ評価シートを作成する際のバイブルとなります。
出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)
参考:総務省 令和7年11月26日(水)
情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波利用環境委員会(第66回)配付資料
資料66-3-2 電波利用環境委員会報告(案)(CISPR 16-1-1、16-1-4、16-2-3及び16-4-2)PDF
資料66-3-3 電波利用環境委員会報告(案)別添1(CISPR 16-1-1)PDF
資料66-3-4 電波利用環境委員会報告(案)別添2(CISPR 16-1-4)PDF
資料66-3-5 電波利用環境委員会報告(案)別添3(CISPR 16-2-3)PDF
資料66-3-6 電波利用環境委員会報告(案)別添4(CISPR 16-4-2)PDF
PR:
初めてのスペアナによるEMIノイズ対策![]() |
SIGLENT SVA1015X EMI機能:オプション |
PR:
SMM3000Xシリーズ 高精度ソースメジャーユニット・表示桁数:6½桁(2,100,000カウント) ・SMM3311X(1ch) / SMM3312X(2ch) ・価格:90万円~ |
|
|
・USB VNA |
・Coming soon |
![]() |
SDS8000Aシリーズ オシロスコープ 特長と利点 ・Coming soon |
![]() |
SSG6M80Aシリーズ ・Coming soon
|
![]() |
![]() |
![]() |
SSA6000A Series Signal Analyzer Main Features ・Coming soon
|
![]() |
SNA6000A Series Vector Network Analyzer Key Features
|
お礼、
T&Mコーポレーションは設立5年ですが、おかげさまで業績を着実に伸ばしており、
オフィスを港区芝(最寄り駅浜松町)に移転し、スペースも拡大いたしました。
電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に
T&Mコーポレーションはお客様のご予算を最大限生かす製品群をご提案させていただいております。





















T&M
即納ストア