― 前面・背面パネルと表示領域の機能ガイド ―
本章では、TH2883S8-5インパルス巻線試験器の物理インターフェースである前面パネル、背面パネル、およびディスプレイ構成について詳しく解説します。各部の名称、役割、表示内容を把握することで、正確かつ安全な操作が可能となります。
1. 前面パネルの構成
TH2883S8-5の前面パネルは、以下の主要要素で構成されています。
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| 番号 | 名称 | 説明 |
| 1 | ブランド・型番表示 | 製品名称とモデル情報を表示 |
| 2 | LCD表示部 | 320×240ドットの大型液晶。波形、設定、結果を表示 |
| 3 | ソフトキー（5個） | 表示内容に応じて機能が変化。メニュー操作に使用 |
| 4 | DISPキー | 測定波形表示ページ（MEAS DISP）を開く |
| 5 | SETUPキー | 測定設定ページ（MEAS SETUP）を開く |
| 6 | ローラー | カーソル移動、数値調整、決定操作に使用 |
| 7 | SYSTEMキー | システム設定メニューを開く |
| 8 | 数字キー | 数値や文字の入力用 |
| 9 | ESCキー | 入力キャンセル・戻る操作 |
| 10 | バックスペース | 入力ミスの削除 |
| 11 | ENTERキー | 入力確定 |
| 12 | HVインジケーター | 高電圧出力中に点灯。安全警告用 |
| 13 | PASS/FAILランプ | 測定結果を視覚的に表示 |
| 14 | STARTキー | 測定開始／途中停止 |
| 15 | 高電圧端子 | 高圧出力端子（背面と連動） |
| 16 | GND端子 | 測定対象の接地端子 |
| 17 | COPYキー | 現在の画面をUSBに保存 |
| 18 | 電源スイッチ | 本体のON/OFF操作 |
| 19 | USBホスト端子 | USBメモリ接続用（波形保存、設定ファイル） |
2. 背面パネルの構成
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| 番号 | 名称 | 機能説明 |
| 1 | HANDLERインターフェース | 合否出力、テスト開始／停止制御用 |
| 2 | USB DEVICE端子 | パソコンによるリモート制御用 |
| 3 | RS232C端子 | 外部通信機器との接続用 |
| 4 | LAN端子 | ネットワーク接続用 |
| 5 | フットスイッチ端子 | 足での測定開始操作が可能 |
| 6 | ネームプレート | 製造日、型番、製造番号の表示 |
| 7 | 放熱ファン | 強制空冷機構 |
| 8 | 接地端子 | 本体外装の接地用 |
| 9 | ヒューズ | 安全回路保護（220V／1A） |
| 10 | 電源入力（3芯） | AC100V〜240V対応 |
| 11 | スキャン端子（CH1～CH8） | 測定対象接続端子。試験対象に応じて選択可能 |
| 12 | 高圧出力端子 | 前面端子15と同様に動作 |
| 13 | GND端子 | 試験対象と前面端子16に接続 |
3. 表示エリアの構成と内容
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ディスプレイは、複数の情報ゾーンに分かれており、現在の状態や測定条件をリアルタイムで視覚的に提供します。
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項目番号 |
表示内容 |
説明 |
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1 |
電圧表示 |
現在の測定インパルス電圧 |
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2 |
状態表示 |
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3 |
波形エリア |
測定波形、標準波形、比較結果を表示 |
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4 |
メモリ位置 |
波形の格納位置を示す |
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5 |
標準波形の有無 |
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6 |
メモリ深度／波形色 |
波形の色設定・使用メモリ確認 |
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7 |
テストステップ |
XX/XX形式で表示。最大20ステップ |
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8 |
測定結果（単体） |
ステップごとの個別結果（PASS/FAIL） |
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9 |
比較結果 |
4種比較結果（エリア、差分、コロナ、位相）を表示 |
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10 |
ソフトキーメニュー |
現在有効なソフトキーの主機能 |
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11 |
ソフトキー機能詳細 |
各ソフトキーの補足パラメータ等 |
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12 |
システム情報 |
USB接続状態、キーロック状態など |
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13 |
タイムベース |
横軸方向の時間スケール（変更不可） |
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14 |
ピーク電圧 |
現在のピーク値（例：4200V） |
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15 |
ステップ一覧 |
マルチ表示時に複数ステップ結果を確認可 |
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16 |
サンプリングレート |
現在の波形サンプリング設定（例：100Msps） |
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17 |
設定インパルス電圧 |
出力電圧設定値の表示 |
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18 |
総合測定結果 |
全ステップがPASS：合格、FAIL含む場合はFAIL表示 |
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19 |
現在時刻 |
システム時計に基づく表示時間 |
インパルス巻線試験器の入門①- 試験原理・構成・基本仕様の理解
インパルス巻線試験器の入門②-主要仕様と波形比較手法の解説
インパルス巻線試験器の入門③-測定表示とディスプレイ機能
インパルス巻線試験器の入門④-比較方式と判定アルゴリズム
インパルス巻線試験器の入門⑤-測定設定と試験ステップの構成（SETUP）
インパルス巻線試験器の入門⑥-システム設定と通信インターフェースの管理
インパルス巻線試験器の入門⑦-操作手順と標準波形の作成
インパルス巻線試験器の入門⑧-リモート制御用コマンドとSCPI準拠インターフェース
インパルス巻線試験器の入門⑨-ファイル管理とUSB／内部メモリ活用法
インパルス巻線試験器の入門⑩-インパルス試験の応用と実践的トラブル対応例
