SIGLENT (シグレント)SDS1000X HDシリーズ デジタル・オシロスコープ

クロスオーバー歪みは、オシロスコープで観測することができます。特に、増幅回路の出力波形において、正弦波のゼロクロス付近で波形が乱れる現象として現れます。この歪みは、増幅器のバイアス電流が不足している場合や、トランジスタのスイッチング特性に起因して発生します。

 

観測方法

 
  1. 1. 増幅回路の出力にプローブを接続する:
    オシロスコープのプローブを、歪みが発生していると考えられる増幅回路の出力端子に接続します。
  2. 2. 信号を入力する:
    正弦波などの信号を増幅回路に入力し、オシロスコープで波形を観測します。
  3. 3. トリガー設定:
    オシロスコープのトリガー機能を使い、入力信号の周期的な変化に合わせて波形を安定させます。
  4. 4. 波形を観察する:
    観測された波形において、ゼロクロス付近で波形が乱れているかどうかを確認します。クロスオーバー歪みが発生している場合、波形が急峻に変化したり、平坦になったりする様子が見られます。
  5. 5. 設定を調整する:

    必要に応じて、オシロスコープのタイムベースや垂直軸のレンジを調整し、歪みの詳細な様子を観察します。

     

注意点

 
  • プローブの選択:
    プローブの入力インピーダンスが、測定対象の回路に影響を与えないように、適切なプローブを選択する必要があります。
  • トリガー設定:
    正確な波形観測のためには、適切なトリガー設定が重要です。
  • 帯域幅:
    オシロスコープの帯域幅は、観測する信号の周波数よりも十分に広くなければなりません。
  • バイアス電流:

    増幅回路のバイアス電流を調整することで、歪みを低減できる場合があります。

     

補足

 
  • クロスオーバー歪みは、特にプッシュプル型の増幅回路でよく見られます。
  • 歪みの原因を特定するためには、回路図を参考にしながら、各部品の動作を確認することが重要です。
  • オシロスコープ以外にも、歪み率計などを使用して歪みを定量的に評価することもできます。