インピーダンス・アナライザ  TECHMIZE 型式:TH2851-130【10Hz-130MHz】

コンデンサの「COG」や「NPO」は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の誘電体の特性を表す規格です。これらは「温度特性」と呼ばれる、温度変化に対する静電容量の変化の度合いを示しており、非常に安定した特性を持つコンデンサとして知られています。

 

誘電体の材料

 

COG(NPO)の誘電体には、チタン酸ジルコン酸バリウムなどの強誘電体ではなく、一般的にチタン酸マグネシウムチタン酸カルシウムなどの、温度特性が安定した材料が用いられます。

 

COGとNPOの違い

 

  • COGはアメリカの電子部品工業会(EIA)による規格「C0G」に由来します。

  • NPOは一般的に広く使われる呼称です。

  • どちらも基本的に同じ特性を持つコンデンサを指します。

 

COG(NPO)コンデンサの主な特徴

 

  1. 優れた温度安定性:

    • -55℃から+125℃の広い温度範囲で、静電容量の変化率がわずか (百万分の30)と極めて小さいです。

    • これは、他のセラミックコンデンサ(X7R, Z5Uなど)に比べて圧倒的に安定しています。

  2. 経年変化がない:

    • 静電容量の経年変化がほとんどありません。

  3. 高周波特性に優れる:

    • 低損失で、高周波回路に適しています。高いQ値(品質係数)を持っています。

  4. 電圧依存性が小さい:

    • 印加される電圧によって静電容量がほとんど変化しません。他のコンデンサ(特にX7Rなど)は電圧をかけると容量が減少する傾向があります。

 

まとめ

 

COG(NPO)は、温度や電圧、時間の経過にほとんど影響されない、非常に安定した特性を持つコンデンサです。そのため、発振回路やフィルター回路、時定数回路など、高い精度や安定性が求められる用途に広く使用されます。

ただし、他のコンデンサ(X7Rなど)に比べて、同じ体積での静電容量が小さいというトレードオフがあります。