WBG(ワイドバンドギャップ)半導体向けのデカップリング用セラミックコンデンサは、GaNやSiCの超高速スイッチングによって発生する高周波ノイズの抑制に不可欠です。これらのコンデンサは、従来の電源回路よりもはるかに厳しい電気的要件を満たすように選定・設計されます。
🔬 WBG回路における役割と要求性能
デカップリングコンデンサ(通常、MLCC:積層セラミックコンデンサ)の主な役割は、高周波のスイッチングノイズや電圧変動が、WBGスイッチング素子や周辺の制御回路に悪影響を与えるのを防ぐことです。
1. 超低インダクタンス (ESL)
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最重要要件: WBGデバイスのdi/dt(電流変化率)が極端に大きいため、**等価直列インダクタンス(ESL)**を最小限に抑える必要があります。ESLが大きいと、ノイズ電流が流れる際にVspike = ESL・(di/dt)という大きな電圧スパイク(リンギング)が発生し、デバイスの破壊やEMI(電磁干渉)の原因となります。
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対策:
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低ESLパッケージ: コンデンサの内部構造や電極形状を工夫し、ESLを極限まで低減した特殊な**低ESLパッケージ(例:リバース端子、多端子構造)**が使用されます。
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実装配置: 半導体パッケージのピンにできるだけ近接して配置し、PCBパターンの寄生インダクタンスも最小限に抑えます。
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2. 広帯域なデカップリング特性
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要求: スイッチング周波数だけでなく、その高次の高調波(数百MHz~GHz帯)までノイズを効果的にバイパス(除去)する必要があります。
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特性: 自己共振周波数が高く、広範な周波数帯域でインピーダンスを低く保てるコンデンサが選ばれます。
3. 高耐圧と高信頼性
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対応: WBG回路は高電圧で動作することが多く、また前述のスパイク電圧にも耐えるため、高い定格電圧を持つコンデンサが必要です。
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材料: 一般的に、X7Rや**C0G(NP0)**などの誘電体材料が使用されます。特にC0Gは温度による容量変化が極めて小さいですが、大容量化が難しく高価です。
🛠️ WBG向けMLCCの設計と実装
WBGコンバータ設計では、デカップリング性能を最適化するために以下の工夫がされます。
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複数のコンデンサを並列接続: 異なる容量とESLを持つ複数のMLCCを並列に接続することで、広帯域にわたって低インピーダンスを確保します。
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バスバー/モジュール一体化: GaNやSiCパワーモジュールの真下や、DCリンクバスバーに直接はんだ付け(表面実装)されることが多く、超近接配置により配線インダクタンスを徹底的に削減します。
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