チップレット技術を用いた**FC-BGA(Flip Chip-Ball Grid Array)**は、現代の高性能プロセッサ(AIアクセラレータ、サーバーCPU、ハイエンドGPU)において主流となっているパッケージング技術です。
「1つの大きなダイ(チップ)」を作る代わりに、機能ごとに分割した「小さなチップ(チップレット)」を一つの基板上にパズルのように組み合わせることで、性能、コスト、歩留まりの最適化を図ります。
1. 構造の仕組み
チップレット搭載FC-BGAは、主に以下の3つの要素で構成されています。
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チップレット(Chiplets): CPUコア、I/O、メモリコントローラなど、機能別に最適化された個別のダイ。
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インターポーザー(中継基板): チップレット間の超高密度な配線を担います。シリコン製(Si-Interposer)や、より安価な樹脂製(RDL-Interposer)があります。
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FC-BGA基板: インターポーザーからの信号を、マザーボードへ接続するためのバンプ(ハンダボール)へ広げる役割を担う大型の多層基板です。
2. なぜチップレットをFC-BGAに載せるのか?
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歩留まり(良品率)の向上: 巨大なチップは1カ所でも欠陥があれば廃棄ですが、チップレットなら小さな単位で選別できるため、全体のロスが減ります。
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「ヘテロジニアス(異種)」集積: * 計算コアは最先端の2nm/3nmで。
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I/O回路は少し古い安価な6nm/7nmで。
というように、機能に合わせて最適なプロセスを組み合わせることでコストを最適化できます。
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スケーラビリティ: チップレットの数を増やすだけで、ミドルレンジからハイエンドまでの製品ラインナップを容易に構築できます。
3. FC-BGAにおける実装の難点
傳田精一先生もかつて指摘されていた通り、実装は「ただ載せるだけ」ではありません。特にチップレット化により、以下の課題が顕著になっています。
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巨大化する基板: 現在のAIチップ(NVIDIA Blackwellなど)のFC-BGA基板は、100mm × 100mmを超える「スーパーハイエンド基板」となっており、反り(Warpage)の制御が極めて困難です。
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熱密度: 複数のチップレットが密集するため、局所的な発熱(ホットスポット)が深刻化します。これに対し、先述の「裏面電源供給」や、より熱伝導率の高いTIM(Thermal Interface Material)が必要になります。
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高速信号伝送: チップレット間を繋ぐ配線は極めて細く、かつ高速である必要があります。ここで、前回触れたCu-Cuハイブリッドボンディングや、シリコン・ブリッジ(IntelのEMIBなど)が活躍します。
4. 主な採用例と技術名称
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AMD (EPYC/Ryzen): チップレット戦略の先駆者。複数のCPUダイと1つのI/OダイをFC-BGA上で統合。
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Intel (Sapphire Rapids/Ponte Vecchio): 「EMIB」という埋め込みブリッジ技術を使い、FC-BGA基板内でチップレット間を高速接続。
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NVIDIA (Blackwell): 2つの巨大なGPUダイを広帯域インターフェースで繋ぎ、巨大なFC-BGAパッケージに収めています。
まとめ
チップレット搭載FC-BGAは、半導体の進化が「前工程(微細化)」から「後工程(パッケージング)」へシフトしている象徴的な技術です。
出典:Google Gemini
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