
ポータブルバッテリーは、一般的に「ポータブル電源」と呼ばれる、家庭用のコンセント(AC電源)やUSBポートなどから電力を取り出せる、持ち運び可能な大容量の蓄電池(バッテリー)のことです。
スマートフォンなどを充電するモバイルバッテリーと比べ、より高出力・大容量で、家電製品を動かせる点が大きな違いです。
主な用途
ポータブル電源の最大のメリットは、コンセントがない場所でも電気を使える自由度の高さと、災害時の安心感です。
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防災・非常時の備え 🔋
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停電時におけるスマートフォンの充電、情報収集(ラジオ、テレビ)の電源確保。
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照明、電気毛布、小型冷蔵庫、電気ケトルなど、生活に必要な家電製品を一時的に稼働させる電源。
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アウトドア・レジャー 🏕️
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キャンプや車中泊での調理家電(小型ホットプレート、電気ケトル)や冷暖房器具(扇風機、電気毛布)の電源。
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野外でのノートPC作業やプロジェクター利用。
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日常利用 🏡
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庭やバルコニーなど、コンセントから遠い場所でのDIYや作業の電源。
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太陽光パネルと組み合わせて充電し、電気代の高い時間帯に利用する節電目的。
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選ぶ際の重要なポイント
ポータブル電源を選ぶ際は、主に「容量」と「出力」の2つが重要になります。
1. 容量(Wh:ワットアワー)
容量 (Wh) は、バッテリーに蓄えられる電力量、つまり「どれだけ長く使えるか」のスタミナを示します。
用途の目安 | 容量の目安 (Wh) | 使用可能な機器の例 |
短時間の利用 (スマホ数台の充電など) | 100Wh〜300Wh | スマホ、LEDランタンなど |
キャンプ・車中泊 (1〜2泊) | 500Wh〜1,000Wh | 扇風機、小型冷蔵庫、ノートPC、小型調理器具など |
防災・長期停電 (数日間の生活維持) | 1,000Wh〜2,000Wh以上 | 冷蔵庫、ヒーターなど消費電力の大きい家電製品も含む |
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(電力ロスを考慮して容量の80%で計算します)
2. 定格出力(W:ワット)
定格出力 (W) は、ポータブル電源から安定して供給できる最大の電力、つまり「どんな家電を動かせるか」のパワーを示します。
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定格出力が使用したい家電の合計消費電力を下回ると、家電は動作しません。
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特にドライヤーや電子レンジ、電気ケトルなどは消費電力が1,000Wを超えるものが多いため、高出力なモデルを選ぶ必要があります。
その他のチェックポイント
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出力波形: 日本の家電を安全に使うには、家庭用コンセントと同じ**純正弦波(正弦波)**に対応している製品を選びましょう。
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充電時間と充電方法: 満充電にかかる時間や、ACアダプターの他にシガーソケットやソーラーパネルでの充電に対応しているかを確認します。
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安全性: 発火リスクが低い**リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO4)**を搭載したモデルや、過充電保護機能などの安全機能、PSEマークの有無を確認しましょう。