SIGLENT (シグレント)SDS7000A シリーズ デジタル・オシロスコープ

半導体の進化において、パッケージ技術は微細化の限界を補完し、性能向上とコスト削減を実現する重要な主軸となっています。従来の半導体製造は、シリコンウェハ上の回路を微細化することで性能を向上させる「ムーアの法則」が中心でしたが、物理的・経済的な制約からその進展が困難になりつつあります。


 

パッケージ技術の役割

 

半導体パッケージは、ウェハから切り出されたチップを外部環境から保護し、外部の回路基板と電気的に接続する役割を担っています。しかし、近年の技術進化に伴い、その役割は以下の3つの観点で拡大しています。

  • 高性能化と多機能化: 複数のチップを一つのパッケージに統合するチップレット技術や、2.5次元、3次元の高密度実装技術が進化しています。これにより、異なる機能を持つチップ(ロジック、メモリ、周辺デバイスなど)を効率的に連携させ、全体としての性能を飛躍的に向上させることができます。

  • 小型化と省電力化: チップ間の配線距離を短縮することで、信号伝達の遅延や電力ロスを低減し、機器の小型化と省電力化に貢献します。

  • 熱放散: 高性能化に伴い、チップの発熱量が増大するため、発生した熱を効率的に外部へ逃がすための放熱設計がますます重要になっています。


 

代表的なパッケージ技術

 

  • フリップチップ(Flip Chip)実装: チップの電極面を直接基板にはんだバンプで接続する技術です。従来のワイヤーボンディングよりも高密度で高速な接続が可能です。

  • チップレット: 異なる機能を担う複数の小型チップ(チップレット)を、単一のパッケージ上に集積する技術です。これにより、個々のチップを最適なプロセスで製造し、それらを組み合わせることで、巨大な単一チップを製造するよりもコストを抑えながら高性能な半導体を実現します。

  • 3Dパッケージング: チップを垂直方向に積み重ねて接続する技術で、チップ間の配線距離を大幅に短縮し、高性能化と小型化を両立させます。

このように、パッケージ技術は、単なるチップの保護・接続から、半導体全体の性能を左右する戦略的な技術へと進化しており、今後の半導体産業の鍵を握る存在となっています。

半導体のパッケージングの「進化」を分かりやすく解説します!!!

この動画は、半導体パッケージングの役割と進化について、分かりやすく解説しています。

 

 

 

 

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