**帯域密度 1 Tbps/mmを達成するための光チップレットの設計は、「光電変換機能の極限的な高密度化」と「通信経路の超短距離化」**を両立させることに焦点を当てています。
この目標は、従来の電気配線や一般的なパッケージング技術の限界を突破し、データセンターや高性能コンピューティング(HPC)、AIアクセラレータにおける通信のボトルネックを解消するために設定されたものです。
📐 1 Tbps/mm 実現のための設計要素
帯域密度 1 Tbps/mmを達成する光チップレット設計の核となるのは、以下の3つの要素技術です。
1. 高密度光入出力(I/O)設計
チップの端面 1 mmあたりで 1 Tbps を実現するには、以下の設計が不可欠です。
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多チャネル並列化: 1チャネルあたりの通信速度(Gbps)を追求するだけでなく、光チャネルの数(多重度)を極限まで増やす必要があります。波長多重(WDM)や空間多重(SDM)などを組み合わせ、高密度な光導波路アレイを形成します。
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超小型・高効率な光電変換デバイス:
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メンブレン型レーザ/変調器: メンブレン化合物半導体技術を適用し、Si基板上に極小サイズの高効率なレーザやマッハツェンダー型変調器 (MZM)、リング共振器型変調器 (Ring Modulator) を高密度に配置します。これにより、小さな面積で高速な光信号の生成・変調を実現します。
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高速フォトディテクタ(PD): 受光側にも、光信号を高速かつ高感度で電気信号に戻すためのフォトディテクタを高密度で集積します。
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高密度光結合: 光ファイバーやチップ間の光導波路と、光電変換デバイスを極めて高精度かつ低損失で結合する技術が必要です。
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**グレーティングカプラ(GC)**などの垂直入出力構造を利用することで、チップの端面ではなく上から光を入出力し、実装密度を向上させます。
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2. チップレット間・パッケージ内統合設計(CPO)
光入出力デバイスと演算LSIを近接させることで、電気的な伝送ボトルネックを解消します。
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Co-Packaged Optics (CPO): 演算LSI(CPU/GPU/AIアクセラレータ)と光送受信器チップレットを同一のパッケージ内に搭載し、両者を最短距離で電気的に接続します。
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電気配線長の短縮: LSIと光チップレット間の電気配線を数 mmオーダーから数百 μmオーダーに短縮することで、電気信号の減衰を最小限に抑え、高密度・高速なデータ転送を可能にします。
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高密度インターポーザ: 複数のチップレットを接続するためのシリコンインターポーザなどの基盤上に、電気配線とともに高密度な光導波路を形成し、チップレット間を光で接続する設計が研究されています。
🔬 実現に向けた主要技術
| 設計要素 | 技術的アプローチ | 達成目標 |
| 光デバイスの微細化 | メンブレン型化合物半導体デバイス (InP系など) | 高効率・低消費電力化 (2 pJ/bit) |
| 高密度な光経路 | シリコンフォトニクスによる光導波路の微細加工 | 1 Tbps/mmの帯域密度を担保する並列光路形成 |
| チップ間接続 | ハイブリッド集積(異種統合)、フリップチップ接合 | LSIと光チップレットの超近接配置と低損失な電気接続 |
| 熱対策 | パッケージ内の効率的な放熱設計 | デバイスの安定動作と性能維持 |
これらの技術を組み合わせることで、 1 Tbps/mmという極めて高い帯域密度を実現し、次世代の情報通信システムの基盤を築くことが目指されています。
APNは、IOWN構想が目指す「高速・大容量、低遅延、超低消費電力」な次世代のデジタル社会を実現するための「神経網」の役割を果たします。(NTT・NTTイノベーティブデバイス・NXTEC・古河電工・新光電気)
この動画では、オールフォトニクス・ネットワーク(APN)が従来の通信とどのように異なり、超低遅延や超大容量を実現するのかについて詳しく解説されています。
オールフォトニクスネットワーク(APN)とは? APNの概要をわかりやすくお伝えいたします。
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