
「次世代 X-nics 半導体創生」は、日本政府が推進する「次世代X-nics半導体創生拠点形成事業」を指します。これは、次世代の革新的な半導体を生み出すための研究開発と、それを担う人材を育成することを目的にした国家プロジェクトです。
次世代 X-nics とは、異なる分野を掛け合わせることで、新しい半導体を創生しようとする日本の国家プロジェクトの総称です。特に、スピントロニクスやフォトニクス、ニューロモルフィクスといった「-nics」で終わる新しい技術分野を融合させ、「X」という新しい切り口で、次世代(neXt)を席巻する半導体を生み出すという意図が込められています。このプロジェクトは、AIの進化に伴う消費電力の増大や、従来の半導体技術の限界を突破するために、産官学が連携して推進しています。
プロジェクトの概要
このプロジェクトは、既存の半導体技術の延長線上ではない、まったく新しいアプローチで半導体を創生することを目指しています。ここでいう「X-nics」の「X」は、スピントロニクス、ニューロモルフィクス、フォトニクス、トポトロニクスなど、これまでのエレクトロニクスとは異なる新しい学術領域や技術分野を指しています。これらの分野を掛け合わせることで、飛躍的な性能向上や省エネルギー化を実現する半導体の開発を目指します。
具体的には、以下のような目標を掲げています。
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2035~2040年頃に社会で求められる、省エネルギーで高性能な半導体の創出。
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従来比で1/100の低電力化を実現する半導体や、AI、ロボットなどの特定の用途に特化した半導体の開発。
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ハードウェアとソフトウェアの両方を理解し、システム全体を俯瞰できる、次世代の半導体産業を牽引する人材の育成。
採択された拠点
この事業は、文部科学省の公募により、日本の複数の大学が連携して研究開発と人材育成を進める「拠点」を形成します。2022年に以下の3つの拠点が採択されました。
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Agile-X〜革新的半導体技術の民主化拠点(東京大学)
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LSI(大規模集積回路)開発のプロセスを大幅に短縮し、コストを削減する技術を開発することで、半導体技術を誰もが利用しやすい「民主化」を目指します。
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スピントロニクス融合半導体創出拠点(東北大学)
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電子の持つスピン(自転のような性質)を情報伝達に利用するスピントロニクスを核に、光やニューロ、トポロジーといった分野と融合させ、新しい半導体研究を推進します。
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集積Green-niX研究・人材育成拠点(東京工業大学、広島大学、豊橋技術科学大学の3大学連携)
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低消費電力化や低環境負荷化といった「グリーン」な視点を重視し、材料、デバイス、回路、システムを統合した革新的な半導体技術の開発を進めます。
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これらの拠点が中心となり、日本の半導体研究を活性化し、国際的な競争力を高めることが期待されています。
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