ローム(ROHM)の第5世代SiC MOSFET(開発中・順次投入)は、車載充電器(OBC)の次世代スタンダードを目指して設計されており、特に帰還容量($C_{rss}$)の低減においては、第4世代を凌駕する極めてアグレッシブな特性を持っています。

OBCの設計者にとって、ロームの第5世代がどのように$C_{rss}$を処理し、それが800Vシステムにどう貢献するのかを深掘りします。


1. ローム第5世代における Crss(帰還容量) の進化

ロームは第3世代、第4世代と「トレンチ構造」を熟成させてきましたが、第5世代ではこの構造をさらに微細化し、寄生容量の削減を徹底しています。

  • Crss の劇的な低減: 第4世代と比較して、単位面積あたりの Crss$ をさらに約30%〜40%削減。これにより、ゲート駆動時のミラープラトー期間が極短化されています。

  • Ciss / Crss 比の最適化: スイッチングの安定性を保ちつつ、高速化を両立。特に Crss が小さいことで、対向アームが動作した際の dv/dt による「セルフターンオン(誤点灯)」リスクが低減されています。


2. OBC(車載充電器)設計への具体的インパクト

ロームの第5世代を採用することで、OBCの回路設計は以下のように変化します。

① 高周波化によるトランスの劇的進化

Crss が低い=スイッチング損失が少ないため、従来100kHz程度だった駆動周波数を300kHz〜500kHz以上に引き上げることが可能です。

  • 平面トランスの採用: 高周波化により、ロームのSiCとPCBパターンを用いた平面トランスの相性が極めて良くなります。これにより、11kW級のOBCでも高さを数cmに抑えた薄型設計が可能になります。

② 共振回路(CLLC)の精度向上

800V系OBCで主流のCLLC共振回路において、CrssCoss(出力容量)の低減は死活問題です。

  • ソフトスイッチングの最適化: Crss が小さいことで、ゲートのスイッチングタイミングの制御精度が上がり、広い負荷領域でZVS(ゼロ電圧スイッチング)を維持しやすくなります。これは、充電初期から満充電間際までの全域での高効率化を意味します。


3. ローム製デバイス特有の強み

ロームがOBC市場で選ばれる理由は、Crss などのスペック数値以外にもあります。

  • 高いゲートしきい値電圧 (Vth): ロームのSiCは他社品に比べて Vth が比較的高く設計されています。Crss を通じたノイズが入っても、誤点灯しにくいという「使いやすさ」がエンジニアに評価されています。

  • 4ピンパッケージ (TO-247-4L) の最適化: ケルビンソース端子を活用することで、Crss 低減による高速スイッチング能力を損なうことなく、ソースインダクタンスの影響を排除したクリアなゲート波形を実現しています。


4. 800V OBCへの適用イメージ

項目 ローム第5世代適用のメリット
耐圧 1200V耐圧品で800Vバッテリーに余裕を持って対応。
熱設計 Crss 低減による低発熱化で、水冷システムの小型化または空冷化の検討が可能。
双方向性 V2H/V2G時に、同期整流側の高速切り替えがスムーズに行え、双方向効率が向上。

まとめ

ロームの第5世代SiCは、**「$C_{rss}$ の極限までの低減」を武器に、OBCの「さらなる高周波化」「トランスの小型化」**を牽引しています。特に800Vシステムにおいては、高耐圧でありながら低耐圧品のような高速スイッチングが可能なため、電力密度の限界を押し上げるキーデバイスとなっています。

 

下記資料では「高温時オン抵抗を約30%低減!第5世代SiC MOSFETを開発」について詳しく解説されています。

「高温時オン抵抗を約30%低減!第5世代SiC MOSFETを開発」

 

 

 

出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)

 

 

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