100Gbpsコヒーレント変調器(SFF)は、多くの主要な光部品メーカーや通信機器メーカーが製品化しています。
特に変調器チップ(心臓部)のメーカーと、それらを組み込んだプラグアブルモジュール(SFFモジュール)のメーカーに分けて考えると分かりやすいです。
1. 変調器チップ(コンポーネント)の主要メーカー
変調器のコア技術を持つ企業です。主流は高速性に優れたニオブ酸リチウム ($\text{LiNbO}_3$) 系と、集積化に優れたリン化インジウム (InP) 系に分けられます。
| 材料 | 主なメーカー(日本) | 主なメーカー(海外) | 主な製品/動向 |
| ニオブ酸リチウム (LiNbO3) | 富士通オプティカルコンポーネンツ (FOC) | Coherent (旧Lumentum/Finisar) | 信頼性が高く、長距離伝送に強み。近年は**薄膜LN (TFLN)**による小型化が進む。 |
| 住友大阪セメント | EOSPACE | 小型・低駆動電圧化を追求。 | |
| リン化インジウム (InP) | NTTイノベーティブデバイス (NTT-ID) | Infinera (InP変調器をPICに集積) | レーザーや受信器などとのモノリシック集積(一つのチップにすべてを組み込む)に強み。 |
| 三菱電機 |
具体的な製品例(ニオブ酸リチウム変調器 SFF)
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富士通オプティカルコンポーネンツ (FOC):
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FTM7979HKA: 100G DP-QPSK/200G DP-16QAM対応のSFF LN変調器。2つのQPSK変調器と偏波ビームカプラを集積し、小型化(82 x 10 x 5.5 mm)を実現しています。
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住友大阪セメント:
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T.SBXH1.5PL-25PD-ADCなどの100Gbit/sコヒーレント用光多値変調器を提供。
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2. SFFプラグアブルモジュール(トランシーバ)の主要メーカー
これらの変調器チップ、DSP(デジタル信号処理)チップ、光源などを組み込み、QSFP28やCFP2といった小型規格の筐体にパッケージ化した製品を提供するメーカーです。これらのモジュールは、ルーターやスイッチに直接差し込んで使用されます。
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Coherent (旧Lumentum/Finisar/NeoPhotonics): 光通信部品とモジュールの世界的リーダー企業。QSFP28-DCOなど、SFF規格のコヒーレントトランシーバを幅広く提供しています。
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FTLC3351S3PL1/FTLC3351R3PL1 など: 100G ZR QSFP28 Digital Coherent Optics (DCO) トランシーバ。
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Ciena / Nokia / Cisco / Juniper:
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これらの通信機器ベンダーは、自社のシステムに搭載するためのコヒーレントモジュールを、上記のような部品メーカーから調達するか、自社で開発・提供しています。特にDCOモジュールは、機器ベンパクト機能の集約として非常に重要です。
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補足:SFF規格の進化
100Gbpsコヒーレント通信におけるSFF化の進展は、特にプラグアブルトランシーバのフォームファクタの進化と密接に関わっています。
| 世代 | フォームファクタ | 特徴 | 応用例 |
| 初期 | CFP/CFP2 | LFFからSFFへの移行期。モジュールサイズは比較的大きい。 | 長距離/メトロ伝送 |
| SFF期 | CFP2-DCO | DSPチップを内蔵した初期の小型コヒーレントモジュール。 | メトロ/地域間伝送 |
| 超SFF期 | QSFP28-DCO | 100Gの主流となった超小型フォームファクタ。ルーターポートへの直接接続が可能。 | DCI (データセンター相互接続)/メトロ |
ご興味の焦点が、**部品としての「変調器チップ」にあるのか、あるいはシステムに組み込む「SFFトランシーバ」**にあるのかによって、参照すべき製品やメーカーが変わります。
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