SIGLENT(シグレント)SDS5000X HDシリーズ デジタル・オシロスコープ

AEC-Q100(Automotive Electronics Council-Q100)とは、自動車アプリケーションで使用される集積回路(IC)の品質基準規格です。厳しい環境条件下での性能と信頼性を確保するため、自動車内の極端な温度、振動、湿度、電磁干渉に耐えられることを保証するテスト手順が定められています。この規格に合格したICは、自動車用として認定されます。

 
AEC-Q100の主な特徴
    • 自動車用ICの品質基準:

      車載システムに搭載されるICが、要求される耐久性と信頼性を満たすための品質基準です。

       
    • 厳しいテスト条件:

      高温、低温、振動、湿度、電磁干渉などの過酷な環境下でのテストを通じて、ICの信頼性を検証します。

       
  • 信頼性の確保:

    自動車の安全性と性能を向上させ、長期間にわたる安定した動作を保証します。

     
  • 世界共通の言語:

    自動車用電子部品の製造・使用において、部品メーカーと自動車メーカーが共有する品質に関する共通言語となっています。

     
AEC-Q100と関連規格
  • ディスクリート半導体(トランジスタ、ダイオードなど)向けの信頼性試験規格です。

     
  • 受動部品(抵抗器、コンデンサ、インダクタなど)向けの信頼性試験規格です。

     
AEC-Q100の「Grade」

AEC-Q100では、ICの動作する温度範囲に応じて、さらに詳細な「Grade(グレード)」が定められています。

 
  • Grade 0:自動車内で最も過酷な温度環境(例: 150℃)でも動作可能な、高い信頼性を持つICに適用されます。
     
AEC-Q100に準拠した部品は、自動車の安全性と信頼性を確保するために不可欠な存在であり、車載用電子部品の品質を保証するための重要な指標となっています。
 
 

AEC-Q100規格は、車載用電子部品の信頼性を保証するための品質規格です。

これは、米国の大手自動車メーカーと電子部品メーカーが参加して設立された団体 AEC (Automotive Electronics Council) が策定しました。自動車は、極端な温度変化、振動、衝撃など、非常に厳しい環境下で使用されるため、搭載される電子部品には高い信頼性が求められます。この規格は、そのような車載環境で電子部品が正常に機能し続けることを確認するための、厳格な試験要件を定めています。


 

規格の概要と種類

 

AEC規格は、対象となる電子部品の種類によっていくつかのシリーズに分かれています。

  • AEC-Q100: 集積回路(IC)

  • AEC-Q101: ディスクリート半導体部品(トランジスタ、ダイオードなど)

  • AEC-Q200: 受動部品(抵抗、コンデンサなど)

これらの規格は、製品の使用温度範囲に応じて複数のグレードが設けられています。たとえば、AEC-Q100には、以下のグレードがあります。

  • Grade 0: -40°C ~ +150°C

  • Grade 1: -40°C ~ +125°C

  • Grade 2: -40°C ~ +105°C

  • Grade 3: -40°C ~ +85°C

これらのグレードは、車内のどの場所に部品が使われるかによって使い分けられます。


 

主な試験項目

 

AEC-Q100に準拠するためには、温度サイクル試験、高加速ストレス試験、静電放電(ESD)試験、EMC試験など、多岐にわたる信頼性試験をクリアする必要があります。これらの試験は、部品が長期間にわたって過酷な環境に耐えうるかを評価するものです。


 

AEC-Q100の重要性

 

AEC-Q100規格に準拠することで、以下のメリットが得られます。

  • 高い信頼性と安全性: 厳しい試験をクリアした部品は、自動車の安全性向上に貢献します。

  • 品質保証の証明: 自動車メーカーやサプライヤー間で、部品の品質を共通の基準で評価できるようになります。

  • サプライチェーンの効率化: 規格に準拠した部品を使用することで、個別の評価プロセスを簡略化できます。