高抵抗計/fA計/電位計 TECHMIZE 型式:TH269X シリーズ

Digital Lithography Technology (DLT)(デジタル・リソグラフィ技術)とは、主に半導体パッケージ基板インターポーザーといった先端的な電子部品の製造に使用される、新しいタイプの露光(リソグラフィ)装置技術です。

DLTは、従来の露光装置で使われていたガラス製のフォトマスク(原版)を不要にし、デジタル的に回路パターンを形成する点が最大の特徴です。


 

💡 DLTの仕組みと特徴

 

DLTは、主に**DMD(デジタル・ミラー・デバイス)**と呼ばれる技術を用いて回路パターンを形成します。

 

1. DMD(デジタル・ミラー・デバイス)

 

  • 役割: DMDは、数百万個の微小なミラーが並んだデバイスです。コンピュータで各ミラーの角度を高速に制御することで、レーザー光を反射させたり、反射させなかったりします。

  • デジタル描画: これにより、必要な回路パターンを光の照射パターンとしてデジタル的に生成し、感光性の材料が塗布された基板表面に露光(描画)します。

 

2. 従来の技術との違い

 

特徴 Digital Lithography Technology (DLT) 従来のガラスマスク方式
パターニング マスク不要。デジタルデータ(CADデータ)を直接DMDで光に変換し描画。 ガラスマスク必須。マスクを通して光を露光する。
精度・柔軟性 高精度かつ柔軟なパターニングが可能。微細化に強い。 マスクの製造精度に依存。設計変更のたびにマスク作成が必要。
コスト・時間 マスク費用や作成時間が不要。 マスク作成に高コストと時間がかかる。

 

3. DLTが注目される背景

 

DLTは、特にヘテロジニアス・インテグレーションの進展に伴い、需要が高まっています。

  • チップレットの高密度化: AIチップや高性能CPUなどで、複数のチップレットを高密度に集積するために、チップレットを載せるパッケージ基板(FC-BGAなど)やインターポーザーの配線が、従来の技術では困難なサブミクロン級の微細化を求められています。

  • 柔軟な設計対応: チップレット構成の変更やカスタム化が進むと、従来のマスク方式では頻繁なマスク設計変更が必要になり、コストと時間が膨大になります。DLTはマスクが不要なため、設計変更への対応が迅速です。

DLTは、量産レベルのスループットを維持しつつ、先端パッケージングに必要な超微細配線の解像度を達成できる技術として、半導体業界で重要な役割を担うと期待されています。