MultiGBASE-T1(IEEE 802.3ch)のような超高速差動伝送では、周波数ドメインのSパラメータ(SDD11)だけでなく、**TDR(Time Domain Reflectometry)**によるインピーダンス・プロファイル評価が不可欠です。

TDR測定を行うことで、コネクタ、ビア、基板配線のどこでインピーダンス不整合が起きているかを「物理的な距離(時間)」として特定できます。


1. TDR測定の原理とMultiGBASE-T1での役割

TDRは、非常に立ち上がりの速いステップパルスを入力し、戻ってきた反射波形を解析します。

  • インピーダンスの不連続点特定: 2.92mmアダプタからHFMコネクタへの遷移点、基板のランディングパターン、チップ直下のボールパッドなど、各部位のインピーダンス(通常 差動100Ω)をグラフ化します。

  • 物理距離への変換: 反射が戻るまでの時間($t$)と基板上の実効誘電率($\epsilon_r$)から、不整合箇所の位置を特定します。


2. 評価における重要パラメータ

Rise Time(立ち上がり時間)の重要性

802.3chの10GBASE-T1を評価する場合、テスト環境の立ち上がり時間は非常に高速である必要があります。

  • 目安: 立ち上がり時間が遅いと、小さな構造(HFMコネクタ内部のピンなど)のインピーダンス変化が「なまって」しまい、正確な評価ができません。10Gbpsクラスでは、20ps〜35ps 程度の高速な立ち上がりが求められます。

差動インピーダンス (Zdiff) と コモンインピーダンス (Zcommon)

4ポートVNA(またはサンプリング・オシロ)を用いることで、以下の2つを評価します。

  • Zdiff: 理想は 100Ω ± 10%(規格や設計値による)。ペア間の結合が弱いと高くなり、強いと低くなります。

  • Zcommon: 理想は 25Ω。これの乱れはモード変換(EMIの原因)に直結します。


3. HFMコネクタ・基板設計でのチェックポイント

TDRプロファイルを見ると、特有の「振る舞い」が確認できます。

  1. HFMコネクタ接続部(Capacitive Dip):

    コネクタのパッド部分は面積が広くなるため、容量性(Capacitive)になり、インピーダンスが一時的に**ドロップ(低下)**する傾向があります。

  2. スルーホール・ビア(Inductive Spike / Capacitive Dip):

    ビアの設計(スタブの有無やアンチパッドの径)により、インピーダンスが跳ね上がったり(誘導性)、下がったりします。

  3. Intra-pair Skew(ペア内遅延差):

    TDRの「True Differential」モードで測定し、P線とN線の反射のタイミングがズレている場合、物理的な配線長差があることを意味します。


4. VNAを用いたTDR測定(IFT: Inverse Fourier Transform)

最近のコンプライアンステストでは、専用のTDRオシロスコープではなく、VNAのタイムドメイン解析オプション(KeysightのTDR/TDT、R&SのK2など)を使用するのが主流です。

  • メリット: Sパラメータ(周波数)とTDR(時間)を一度の接続で測定でき、コネクタやアダプタの特性を**Gating(ゲート機能)**で数学的に切り離して、DUT単体のインピーダンスを抽出できます。

  • 注意点: 測定周波数範囲(Stop Frequency)が低いと、タイムドメインの解像度が低下します。10GBASE-T1では、少なくとも 20GHz 以上の掃引 が推奨されます。


次のステップとして

実際に測定を行う際、「どこの部位」のインピーダンスが規格(100Ω)から外れてお困りでしょうか?

特定の立ち上がり時間設定(Rise Time)でのシミュレーション値との比較や、フィクスチャの影響を除去するタイムドメイン・ゲーティングの具体的な設定手順についてお手伝いできます。

 

 

 

出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)

 

 

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