インパルス巻線試験機 TECHMIZE 型式:TH2883シリーズ【国内正規品】

1. 製品概要

TH2883Sシリーズは、TECHMIZE社が開発した巻線製品の絶縁性能を非破壊で評価するための高性能インパルス巻線試験器です。特に、モータやトランスの巻線層間、巻線間、リード線間の絶縁不良を迅速かつ高精度に検出することを目的としています。

本機は、インパルス信号を被試験体(DUT)に印加し、その応答波形と基準波形を比較することで、異常の有無を判断します。Q値、インダクタンス、コア材料、巻線数などの差異によって波形が変化するため、それを比較することでコイルの短絡や絶縁不良を検出します。

 

2. 測定原理の簡略図

  • 図1-1に示されるように、キャパシタからインパルス電圧を放電することで、DUT上に減衰振動波が生じます。

     

  • 図1-2のような自己減衰波形の形状と周期は、巻線数やコアの材質に大きく依存します。

  • 異常なインパルス応答や電圧変化から、ターン間ショート、層間放電、コロナ放電の兆候を検出することができます。

     

3. 安全上の注意事項(抜粋)

  • 冷却ファンの通気口を塞がないこと:背面の吸排気口が塞がれると、放熱が不十分になり高圧回路が損傷する恐れがあります。

  • 高圧ケーブルの取り扱い注意:試験中は高電圧が印加されるため、試験端子や接続されたDUTには絶対に触れないでください。

  • 接地の徹底:電源コードの接地端子を正しく接地することで、感電や計測誤差のリスクを防止します。

  • 分解禁止:高電圧部を含むため、無断で筐体を開けないでください。

     

4. 設置・運用環境

  • 電源要件:AC198V~242VまたはAC99V~121V、50/60Hz

  • 消費電力:最大200VA

  • 使用温度/湿度

    • 通常使用温度:0℃〜40℃、湿度:最大90%RH

    • 保管環境:0℃〜50℃、湿度:最大93%RH

  • ウォームアップ時間:使用開始前に15分以上の予熱が必要です。

     

5. 外形寸法・重量

  • 寸法(W×H×D):400mm × 132mm × 420mm

  • 重量:約15kg



 

インパルス巻線試験器の入門①- 試験原理・構成・基本仕様の理解

インパルス巻線試験器の入門②-主要仕様と波形比較手法の解説

ンパルス巻線試験器の入門③-測定表示とディスプレイ機能

インパルス巻線試験器の入門④-比較方式と判定アルゴリズム

インパルス巻線試験器の入門⑤-測定設定と試験ステップの構成(SETUP)

インパルス巻線試験器の入門⑥-システム設定と通信インターフェースの管理

インパルス巻線試験器の入門⑦-操作手順と標準波形の作成

インパルス巻線試験器の入門⑧-リモート制御用コマンドとSCPI準拠インターフェース

インパルス巻線試験器の入門⑨-ファイル管理とUSB/内部メモリ活用法

インパルス巻線試験器の入門⑩-インパルス試験の応用と実践的トラブル対応例