LLC共振コンバータとSJ-MOSFETの相性
LLC共振コンバータは、インダクタ(L)2つとキャパシタ(C)1つを組み合わせた共振回路を利用するDC-DCコンバータの一種です。2026年現在の高効率電源(サーバー、EV充電器、産業用電源)において、もっとも標準的なトポロジの一つとなっています。
特に**CoolMOS™やPrestoMOS™**のようなスーパージャンクション(SJ)MOSFETは、LLC回路の特性を最大限に引き出すために不可欠な存在です。
1. LLC共振の仕組みとメリット
LLCコンバータの最大の特徴は、**「ソフトスイッチング」**を実現できる点にあります。
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ZVS (Zero Voltage Switching): MOSFETがオンになる瞬間に、ドレイン・ソース間電圧をゼロにする技術です。これによりスイッチング損失をほぼゼロに抑えられます。
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高周波化: 損失が少ないため、動作周波数を高く設定できます。その結果、トランスやコンデンサなどの受動部品を劇的に小型化できます。
2. SJ-MOSFET(CoolMOS / PrestoMOS)をLLCで使う理由
LLC回路では、MOSFETの「寄生ダイオード(ボディダイオード)」と「出力容量(Coss)」の振る舞いが非常に重要になります。
CoolMOS™ (Infineon) の役割:超高効率化
最新の CoolMOS 8 や CFD7 シリーズは、LLC回路の「デッドタイム」を短縮するために設計されています。
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低 Eoss : 出力容量に蓄えられるエネルギーが小さいため、ZVSを達成するためのエネルギーが少なくて済み、軽負荷時の効率が向上します。
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堅牢なボディダイオード: LLC回路では、異常動作時(起動時や短絡時)にボディダイオードに大きな逆回復電流が流れるリスクがあります。CFD7などのシリーズは、これに耐えうる高速なダイオード特性を備えています。
PrestoMOS™ (ROHM) の役割:信頼性とノイズ抑制
LLC共振回路において、寄生ダイオードの「リカバリ特性」は故障率に直結します。
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ソフトリカバリ特性: ボディダイオードがオフになる際の電流変化を滑らかにすることで、スパイクノイズやリンギングを抑制します。
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ハーフブリッジの安定性: 2つのMOSFETを交互に動かすハーフブリッジ構造において、PrestoMOSの高速リカバリ特性は、貫通電流(シュートスルー)のリスクを低減し、堅牢なシステムを構築できます。
3. 設計上の注意点(2026年現在のトレンド)
LLC回路でSJ-MOSFETを運用する際、最近は以下のポイントが特に注目されています。
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Coss の非線形性: SJ構造は電圧によって Coss が激しく変化します。低電圧域での容量が非常に大きいため、ZVSを確実に達成するためのデッドタイム設計には精緻なシミュレーションが必要です。
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軽負荷時のバーストモード: 高効率を維持するため、負荷が軽い時には間欠運転(バーストモード)を行いますが、この際のノイズや過渡応答の制御に、MOSFETのゲート電荷量 (Qg) の低さが寄与します。
まとめ:どちらを選ぶべきか?
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データセンター用電源(効率 96% 以上を狙う場合):
圧倒的な低オン抵抗と Coss 特性を持つ CoolMOS™ CFD7 / CoolMOS 8 が有利です。
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産業用ロボット・白物家電インバータ(ノイズと信頼性重視の場合):
ダイオードのリカバリによるトラブルを防ぎやすく、ノイズ設計が容易な PrestoMOS™ が適しています。
現在検討されている回路の出力電力(W)や、目標としているスイッチング周波数(kHz)などは決まっていますか?それらに合わせて、最適なデバイスのスペックをさらに具体化することも可能です。
出典:Google Gemini
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