MotorComm(裕太微電子)の YT8011 などを搭載した評価ボードで IEEE 802.3ch (MultiGBASE-T1) の準拠性試験(コンプライアンステスト)を実施する際、中国メーカー製チップ特有の注意点と、実務上のポイントがいくつかあります。

特に日本の自動車メーカー(OEM)や大手Tier1がこれらを評価する場合、カタログスペック以上の「マージン(余裕度)」が厳しく問われます。


1. 物理層(PMA)コンプライアンステストの要所

MotorComm のチップで特に注視される項目は以下の通りです。

  • 送信機線形性 (Transmitter Linearity):

    PAM4 変調を採用しているため、4つの電圧レベルが正確に等間隔である必要があります。チップ内部のDAC特性や、HFMコネクタ周辺の基板設計が悪いと、ここで不合格(Fail)になり、結果として SQI(信号品質) が低下します。

  • 送信機ジッタ (Transmitter Timing Jitter):

    10Gbps では、わずかなクロックの揺らぎが致命的です。YT8011 を使用する場合、外部水晶発振器(Crystal)の選定や、電源ラインのノイズ(1.8V/0.9V等のPI解析)がジッタ特性に直結します。

  • ハーネス込みのモード変換損失 (SCL21 / SDC21):

    チップ単体だけでなく、H-MTD や HFM コネクタ、そして実際の車載ケーブルを接続した状態での「平衡度」が測定されます。


2. MotorComm 評価ボード測定時の実務的課題

中国メーカーの評価ボード(EVB)をそのまま測定する場合、以下の点に注意が必要です。

A. フィクスチャとデエンベデッド (AFRの活用)

MotorComm の標準 EVB には、測定用に SMA や HFM が実装されていますが、チップからコネクタまでの基板パターンによる損失(SDD21)や反射(SDD11)が無視できません。

  • 対策: VNA の AFR (Automatic Fixture Removal) 機能を使用し、基板のトレース分を数学的に除去して「チップのピン直下」での特性を算出しないと、チップ本来の実力が測れません。

B. レジスタ設定とテストモードの切り替え

準拠性試験では、チップを「Test Mode 1〜6」などに切り替える必要があります。

  • 手法: MDIO 経由で特定のレジスタを書き換えます。MotorComm の場合、詳細なレジスタマップが一部機密(NDA)となっていることが多いため、SDK やデータシートの最新版を確認し、正確なコマンドを Python 等で自動実行できる環境を整えるのが一般的です。


3. 日本の OEM が求める「追加試験」

標準の IEEE 準拠性試験に加え、日本市場向けでは以下の評価がセットで求められることが多いです。

  • IOP(相互接続性)試験:

    MotorComm ↔ Marvell、MotorComm ↔ Broadcom といった、異なるベンダー間でのリンクアップ時間や SQI の安定性確認。

  • 温度特性試験:

    $-40^\circ\text{C}$ から $+105^\circ\text{C}$ (Grade 2) または $+125^\circ\text{C}$ (Grade 1) の環境下で、VNA の Sパラメータや SQI がどう変動するか。

  • MDI リターンロスと TDR:

    HFM コネクタの嵌合部で、インピーダンスが $100\Omega \pm 10\Omega$ 以内に収まっているかのプロファイル確認。


4. 測定器構成の例

MotorComm の 10GBASE-T1 評価に推奨される構成です。

  • VNA: 4ポート(例:Keysight N5222B, R&S ZNB20 等)。20GHz 以上の帯域を推奨。

  • アダプタ: HFM/H-MTD to 2.92mm (K) 変換アダプタ

  • オシロスコープ: 16GHz 以上の帯域、PAM4 解析オプション付。

  • ソフトウェア: IEEE 802.3ch 自動テストソフトウェア(各社から提供)。


5. まとめとアドバイス

MotorComm のチップは非常に高いポテンシャルを持っていますが、日本国内での採用を勝ち取るためには、「フィクスチャの影響を排除した純粋なチップ特性」「最悪条件(高温・ノイズ下)での SQI マージン」 をデータで示すことが近道です。

次に、YT8011 の評価ボードでテストモード(Test Mode 1-6)を起動するための具体的なレジスタアドレスや、VNA で AFR を実行する際の設定パラメータ(Gate Range 等)について詳しくお知りになりたいですか?

 

 

出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)

 

 

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