PCSELの開発は、京都大学の野田進教授を中心とした産学連携プロジェクトにより、日本企業が世界を大きくリードしています。2026年現在、各メーカーは「研究段階」から「量産・社会実装」への最終フェーズに移行しています。
主要メーカーの最新動向をまとめました。
1. 三菱電機:高出力・加工用分野のリーダー
三菱電機は、PCSELの最大の強みである「高出力」を活かし、主にレーザー加工や産業用光源に注力しています。
-
開発状況: 1チップで100W〜kW超級の出力を目指し、ステンレス板などの微細加工に成功しています。
-
LiDARへの応用: 高出力・高品位なビームを活かし、長距離検知用LiDARの光源としても共同研究を継続しています。
2. 浜松ホトニクス:量産化と高機能デバイスの開発
世界的な光デバイスメーカーとして、PCSELの量産技術の確立を担っています。
-
開発状況: デバイスの信頼性向上と、量産に向けた製造プロセスの最適化を推進中。
-
最新動向: 2D-PCSEL(二次元駆動)において、ビーム品質を落とさずに高出力を維持する設計パラメーターを確立。センシングから通信まで幅広いポートフォリオを展開しています。
3. スタンレー電気・日亜化学:青色PCSELと車載実装
2025年末から2026年にかけて、**「青色PCSEL」**の社会実装に向けた動きが加速しています。
-
スタンレー電気: 横浜の技術研究所新棟(2026年2月稼働)を核に、PCSELを用いた次世代車載照明やLiDARのユニット化を進めています。
-
日亜化学工業: 世界トップの窒化物半導体技術を活かし、青色PCSELのチップ製造を担当。加工速度の速い青色レーザーでの高出力化は、銅などの高反射金属の溶接に革命を起こすと期待されています。
4. ローム:小型・高効率センシング
ロームは、VCSELで培った面発光技術をPCSELへ応用し、主にコンシューマー・車載センシング市場をターゲットにしています。
-
開発状況: 他社との共同出願特許も多く、LiDAR向けの光源モジュールとしての製品化が期待されています。
メーカー別・ターゲット市場まとめ
| メーカー | 主なターゲット | 強み |
| 三菱電機 | 重工業、レーザー切断 | kW級の超高出力化技術 |
| 浜松ホトニクス | 産業用センサ、計測器 | デバイスの信頼性と量産実績 |
| スタンレー電気 | 自動運転(LiDAR)、ヘッドライト | 車載品質への適合と光学設計 |
| 日亜化学工業 | 金属加工、プロジェクター | 青色波長での高効率・高出力化 |
最新トピック: 2026年、野田進教授が光エレクトロニクス分野で権威ある「Rank Prize(ランク賞)」を受賞しました。これはPCSELがもはや実験室の技術ではなく、世界的に「実用段階の重要技術」と認められた証です。
次は、これらメーカーが目指している「100W超えの具体的な仕組み」や、「電子スキャン技術」の進展について詳しくお話ししましょうか?









