RoCEv2 (RDMA over Converged Ethernet version 2) は、IP層(インターネット層)の上で動作するように設計されています。
これは、オリジナルの RoCEv1 と比較して、ルーティング(経路制御) の機能と拡張性を持たせるための重要な進化点です。
RoCEv2 の動作レイヤー
RoCEv2は、標準のイーサネット(Converged Ethernet)インフラストラクチャ上でRDMAを実現するために、ネットワークのプロトコルスタックにおいて以下の位置で動作します。
レイヤー (層) | プロトコル | 役割 |
レイヤー4 (トランスポート層) | UDP (User Datagram Protocol) | RDMAのデータグラムをカプセル化(包み込み)ます。 |
レイヤー3 (ネットワーク層) | IP (Internet Protocol) | パケットのアドレッシング(IPアドレス) とルーティング(経路制御) を担当します。 |
レイヤー2 (データリンク層) | Ethernet | 物理的なリンク接続を担当します。 |
RoCEv2の主な特徴(IP層の上で動作することの利点)
ルーティング(経路制御)の実現:
RoCEv1はレイヤー2(イーサネット)上で動作したため、基本的に同一のサブネット内でしか通信できませんでした。
RoCEv2はIP層上で動作するため、標準的なルーターやレイヤー3スイッチを経由して、異なるサブネット間でもRDMA通信を行うことができます。これにより、大規模なデータセンターやクラウド環境全体でRDMAを利用可能になります。
標準プロトコルの活用:
UDPとIPという既存の広く普及している標準プロトコルの上で動作するため、互換性が高く、特殊なネットワーク機器を必要としません。
輻輳制御とQoSの統合:
RoCEv2は、ECN (Explicit Congestion Notification) などのIP層の輻輳制御メカニズムと連携することができます(ただし、RoCE環境の信頼性を高めるために、HuaweiのiLosslessのような高度なロスレス制御が組み合わせて使用されます)。
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