SPTS Process Technology Systems(エスピーティーエス・プロセス・テクノロジー・システムズ)は、かつて存在したイギリスの半導体製造装置メーカーです。
現在は、半導体製造装置の世界的なリーディングカンパニーであるKLA Corporation(ケーエルエー・コーポレーション、米国)に買収され、その一事業部門となっています。
SPTSは、特に以下の分野で、高い技術力を持つ装置を提供していました。
🔬 SPTSの主要技術と製品
SPTSは、主に特殊なプロセス技術を必要とする半導体デバイス(特にMEMSや先端パッケージング)向け装置の分野で知られていました。
1. DRIE装置 (Deep Reactive Ion Etching)
SPTSの最も有名な製品は、シリコン深掘りエッチング装置「ASE(Advanced Silicon Etching)シリーズ」です。
-
技術: ボッシュプロセス(Bosch process)を用いたDRIE技術の先駆者の一つであり、MEMS(微小電気機械システム)製造におけるデファクトスタンダード(事実上の標準)として広く採用されています。
-
用途: MEMSセンサー(加速度、ジャイロなど)、TSV(シリコン貫通電極)による3D ICパッケージングの形成に不可欠です。
2. 成膜・エッチング装置
DRIE装置の他にも、MEMSやパワーデバイス、通信デバイスなどに必要なプロセス装置を提供していました。
-
PE-CVD(プラズマCVD): プラズマを用いた成膜装置。
-
PVD(物理的蒸着)/スパッタリング: 金属膜などの成膜装置。
-
ウェッシャブル/ドライエッチング装置: $\text{SiO}_2$(酸化膜)や$\text{Si}$(シリコン)の犠牲層エッチング装置。
🤝 日本国内での展開
日本国内においては、住友精密工業(SPP)との合弁会社である**SPPテクノロジーズ(SPT)**を通じて、SPTSの技術や装置(特にDRIE装置)の開発・製造・販売が行われています。SPTSとSPPテクノロジーズは、DRIE装置分野で高いシェアを誇っています。
この動画では、主にシリコンの深掘りRIE(Deep-RIE)技術であるボッシュプロセスの仕組みや応用例が解説されています。
「Si深堀エッチング(Deep-RIE)技術とその応用」










