📡 Wavelength-tunable Optical Module MSA の解説
Wavelength-tunable Optical Module MSA(波長可変光モジュール Multi-Source Agreement:多社間協定)とは、特定のフォームファクタ(形状)と電気的・光学的インターフェースを持つ波長可変光トランシーバーについて、複数のメーカー間で相互運用性と互換性を確保するために合意された仕様のことです。1
波長可変光モジュールは、主に長距離通信やメトロ・コアネットワーク、そしてデータセンター間のDCI (Data Center Interconnect) などで使われ、ネットワークの柔軟性や運用効率を大幅に向上させます。
🔍 主要な波長可変光モジュールMSA
波長可変(Tunable)技術は、主にDWDM (Dense Wavelength Division Multiplexing:高密度波長分割多重) ネットワークで使用されます。一つのモジュールで複数の波長をカバーできるため、ネットワーク構築・運用において大きなメリットがあります。
主要な波長可変モジュールのフォームファクタに関するMSAには、以下のようなものがあります。
| MSA/規格 | フォームファクタ | 主な用途 | 特徴 |
| CFP-MSA | CFP, CFP2, CFP4 | 100G/200G/400G DWDM | 初期から長距離通信で広く使用された大型フォームファクタ。 |
| QSFP-DD | QSFP-DD | 400G/800G DWDM (ZR/ZR+を含む) | 現在のデータセンター・メトロDCIの主流。高密度で低消費電力。 |
| OSFP | OSFP | 400G/800G DWDM (ZR/ZR+を含む) | QSFP-DDと競合するフォームファクタ。熱容量に優れる。 |
| OIF 400ZR/800ZR | - | 400G/800G DCI | MSAではなく業界団体OIFが策定する仕様ですが、QSFP-DDやOSFPといった既存のフォームファクタに「波長可変」のDWDM技術(コヒーレント光通信)を搭載するための共通仕様です。 |
💡 波長可変モジュールのメリット
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在庫管理の簡素化:
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固定波長モジュールの場合、チャネル数(例:Cバンドの96チャネル)と同じ数の在庫が必要ですが、波長可変モジュールは単一の部品番号で全てのチャネルをカバーできるため、在庫と管理が大幅に削減されます。
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リモート設定:
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ソフトウェアのコマンドを通じて、遠隔地からモジュールの使用波長を動的に変更できます。これにより、ネットワーク障害時のバックアップ波長への切り替えや、波長計画の変更が容易になります。
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柔軟なネットワーク設計:
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どのポートにどの波長を割り当てるかを現場で決定できるため、設計・展開の柔軟性が高まります。
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📌 現在の主流
現在、データセンター相互接続(DCI)やメトロネットワークでは、400G ZR/ZR+ 仕様に基づいて、QSFP-DDまたはOSFPフォームファクタにコヒーレント(コヒーレント光通信)技術と波長可変機能を統合したモジュールが主流となり、ネットワークの効率と柔軟性を高めています。
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