GaN/SiCデバイスのC–V測定とは
~次世代パワーデバイスの電気特性を非破壊で評価する基本手法~
■ 定義
GaN(窒化ガリウム)やSiC(炭化ケイ素)を材料としたパワー半導体デバイスに対して、静電容量とバイアス電圧の関係(C–V特性)を測定する手法を「C–V測定」と呼びます。
この手法により、デバイス内部のドーピング分布、空乏層の広がり、界面準位、しきい値電圧などの重要パラメータを非破壊かつ高分解能で評価できます。
■ なぜGaN/SiCにC–V測定が必要か?
理由 | 説明 |
|---|---|
高耐圧・高周波用途 | 空乏層制御・寄生容量の最適化が求められる |
新材料特有の界面問題 | Siとは異なるトラップ・界面準位の影響を把握 |
プロセス管理 | ドーピング制御・酸化膜形成のばらつき評価 |
信頼性・寿命設計 | バイアスストレスによる特性変動の事前把握 |
■ 測定対象となる構造例
デバイス | 測定対象 |
|---|---|
GaN HEMT | ゲート下のキャリア密度・空乏制御 |
SiC MOSFET | 酸化膜容量(Cox)、界面準位(Dit)、しきい値電圧(Vth) |
ダイオード(SBD, PiN) | 結合容量、拡散深さ、空乏層容量変化 |
MIS構造(AlGaN/GaNなど) | 絶縁膜特性、界面欠陥密度 |
■ 測定の基本構成
C–V測定は以下のような測定器構成で行われます:
CVU(Capacitance–Voltage Unit)
高電圧DCバイアス源(±数10V~±1kV)
周波数可変のAC信号源(例:1kHz~1MHz)
プローブステーション or 専用ソケット
■ 主な測定パラメータと抽出例
パラメータ | 内容 | 応用 |
|---|---|---|
C–V曲線 | 電圧に対する静電容量変化 | 空乏領域の広がり、しきい値電圧 |
1/C²–Vプロット | 線形化してドーピング密度を抽出 | 拡散プロファイル評価 |
Cox(酸化膜容量) | 酸化膜厚から推定 | 絶縁膜の均一性・プロセス管理 |
Dit(界面準位密度) | HF–LF差分やコンダクタンス法で抽出 | 信頼性・トラップ評価 |
■ 測定時の留意点(GaN/SiC特有)
項目 | 説明 |
|---|---|
高抵抗材料への対応 | AC信号周波数・振幅の最適化が重要 |
界面トラップ応答 | 周波数依存性を考慮してHF/LF測定併用 |
寄生インダクタンス抑制 | 高周波ノイズ対策・ケーブル配置に注意 |
プラズマダメージの影響 | プロセス由来の界面欠陥を含めて解析 |
■ 測定例:SiC MOSFETのC–V曲線
C ↑
| ╭───蓄積(Cox)
| /
| /
| ╯ 空乏領域(C減少)
| ╮
| ╰──反転容量(一定以下に収束)
+------------------------→ ゲートバイアスV
■ T&Mコーポレーションの対応ソリューション
GaN/SiC対応のC–V測定装置(例:TECHMIZE
TH512TECHMIZE TH510シリーズ 半導体CV特性測定器 Vds±1500V、2ch4,741,000円詳しく見る)±100V以上のゲートバイアス印加対応
サンプル形状に応じたプローブ冶具設計
高温環境でのC–V測定にも対応可(要オプション)
■ まとめ
項目 | 内容 |
|---|---|
定義 | GaNやSiCなどのワイドバンドギャップ半導体デバイスに対する静電容量-電圧測定 |
目的 | ドーピング評価、界面品質確認、MOS構造の信頼性確認など |
利点 | 非破壊、定量的、製造工程の評価に有効 |
関連装置 | CVU、LCRメーター、プローブステーション、高電圧バイアス電源 |
T&Mコーポレーションでは、次世代パワーデバイス向けのC–V測定評価環境をトータルでサポートいたします。測定項目の選定から装置導入、解析支援まで一貫して対応可能です。お気軽にご相談ください。
下記資料では「次世代パワー半導体を理解するためのパワエレ基礎」について動画で詳しく解説されています。
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• ⑫SiCパワー半導体の電気自動車EVへの使用例(走行用インバータ、オンボード充電器を...
【本パワエレ基礎コースの目次】
1.パワーエレクトロニクスの基本の基本編 a)パワー半導体デバイスの種類 次世代パワー半導体の理解を目的に分類し特長を解説 (整流ダイオード、バイポーラトランジスタ、MOSFET、IGBT、GTO) b)そもそも電力変換って、何のために、何をしてるの? 4方式(DCDC、DCAC、ACDC、ACAC)の例を挙げて理解
2.損失の考え方と電力変換の高効率化 a)電力変換とは?その測定例 b)高効率が求められる背景 c)MOSFET損失の簡単な計算例 d)Web回路シミュレーターの活用
3.次世代パワーデバイスの種類と概説 a)Si-IGBTの新構造が続々登場 b)シリコンカーバイド c)窒化ガリウム d)酸化ガリウム e)ダイヤモンド
4.パワーデバイスの最新応用例 (特にSiCなど次世代パワーデバイスを中心に解説) a)PFC回路 b)サーバー、通信 c)太陽光発電 d) 蓄電システム e) UPS f)インダクション・ヒーター g)急速充電 h) ワイヤレス給電 i) 電気自動車への利用(オンボード充電器、トラクションモーター)
5. その他(本シリーズ外で動画公開中+順次新規公開) a)パワーデバイスの市場動向(2,3カ月毎) b)パワーMOSFETの高性能を引き出す設計例 c)新興アプリケーション紹介
--------このチャンネルの目的------------
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出典:SiCパワー半導体推進部















