PMICとは、Power Management IC(パワーマネジメントIC)の略で、電子機器における電源の制御と分配を一手に担う高機能な集積回路(チップ)です。日本語では電力管理チップとも呼ばれます。
💡 PMICの主な役割と機能
PMICは、システムの最適な性能とエネルギー効率を維持するために、さまざまな電源管理機能を単一のチップに統合しています。
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複数の電源供給:
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内部にDC-DCコンバータや**LDO(低ドロップアウト・レギュレータ)**などの電源供給機能を搭載し、CPU(SoC)やメモリ、センサーなど、システム内の複数のコンポーネントが要求する異なる電圧を、単一のICで効率的に生成・供給します。
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電源シーケンス制御:
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システムを起動(パワーオン)または停止(パワーオフ)する際、各コンポーネントに電源を供給する順序とタイミング(シーケンス)を正確に制御します。これは、特に複雑なプロセッサシステムで、回路の損傷を防ぎ、安定した立ち上げを行うために不可欠です。
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動的電圧スケーリング (DVS):
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システムの処理負荷や動作モードに応じて、CPUなどに供給する電圧を動的に変更します。これにより、処理負荷が低いときには電圧を下げて消費電力と発熱を最小限に抑え、負荷が高いときには電圧を上げて高速動作を可能にします。
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バッテリー管理:
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ポータブルデバイスでは、バッテリーの充電制御、残量監視(ゲージング)、効率的な放電管理などを行い、バッテリー寿命の延長に大きく貢献します。
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監視と保護:
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電力消費量や温度などをリアルタイムで監視し、過電圧、過電流、過熱などの電気的異常からシステムを保護する機能も備えています。
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📈 PMICを採用するメリット
PMICは、複数の単機能電源ICを個別に配置する場合と比べて、以下のような大きな利点があります。
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省スペース化と部品点数の削減:
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複数の電源機能が1チップに集積されているため、実装面積を最小限に抑え、回路基板の小型化・高密度化に貢献します。
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設計の簡素化:
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複雑な電源制御やシーケンス管理がPMIC内部で完結するため、システム設計者の負担が軽減されます。
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高効率化:
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システム全体で統合的な電力管理を行うため、効率的な電力分配と動的制御によりエネルギー効率が向上します。
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コスト削減:
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使用する部品点数が減ることで、トータルコストも抑えることができます。
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PMICは、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、車載システム、IoT機器など、高度な電力管理と省電力性が求められる現代のあらゆる電子機器にとって不可欠なコンポーネントです。
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