2026年3月にバルセロナで開催された MWC 2026 では、5G NTN(非地上系ネットワーク)が「技術検証」の段階を終え、「商用展開とマルチメディア対応」へと大きく舵を切ったことが示されました。
以下に最新の動向をまとめます。
1. 3GPP Release 19への進化と新チップセット
今回のMWCで最も注目されたのは、3GPP Release 19 に準拠、あるいは準備が整った(Ready)次世代ハードウェアの登場です。
Qualcomm Snapdragon X105: 世界初の Release 19-ready 5G Modem-RFシステムとして発表されました。従来のテキスト・音声だけでなく、NR-NTNを介したビデオ通話やストリーミングを低消費電力で実現可能にしています。
MediaTek Dimensity Auto: 車載向けプラットフォーム「MT2739」において、世界初となる 5G NR-NTNによるビデオ通話 のライブデモを実施しました。2027年〜2028年の車両搭載を目指しています。
2. 「Direct-to-Cell」の本格普及
専用端末ではなく、一般的なスマートフォンで衛星通信を利用する Direct-to-Cell (D2C) のエコシステムが確立されました。
シームレスな体験: ユーザーが地上波か衛星かを意識することなく、カバレッジの穴を埋める「インビジブル・ネットワーク」が強調されました。
IoTの拡大: Iridiumが低価格・高ボリューム市場向けの「3-in-1 衛星IoTモジュール」を発表するなど、物流や農業、資産追跡といったエンタープライズ分野での実用化が加速しています。
3. 測定・インフラ側の進展
エンジニアリングの視点では、Release 19で定義される「再生ペイロード(Regenerative Payloads)」(衛星自体に基地局機能を持たせる技術)の検証が進んでいます。
Rohde & Schwarz: 一体型テスター「CMX500」により、NR-NTN、NB-NTN、およびDirect-to-Cellの全 cellular NTN技術を一台でシミュレーション・テスト可能なソリューションを展示。ドップラーシフトやフェージングの高度なエミュレーションが強化されています。
Keysight & Samsung: Sバンド(n252)を用いたRelease 19 NR-NTNの接続検証に成功し、衛星間ハンドオーバーによるグローバルなモビリティ確保を実証しました。
4. 資金調達と業界連携
1億ユーロ規模の基金: GSMA Foundryと欧州宇宙機関(ESA)が、5G/6Gハイブリッド・インフラ、D2D(Device-to-Device)、およびAIを活用したNTN最適化プロジェクトに対し、最大1億ユーロの資金提供を行うと発表しました。
まとめ:MWC 2026のNTNキーワード
カテゴリ | 最新トレンド |
標準規格 | 3GPP Release 19対応 (Video over NTN) |
ユースケース | 車載通信、高画質ビデオ通話、大規模衛星IoT |
技術要素 | 再生ペイロード、衛星間ハンドオーバー、AIによるリンク最適化 |
商用化 | 2026年内の商用サービス拡大と2027年以降の車載実装 |
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