SIGLENTの最新鋭スペクトラムアナライザであるSSA6000Aシリーズ(特に上位モデル)は、110 GHzまでの超広帯域分散増幅器の性能評価、とりわけAMD RFSoCを用いたシステムのデバッグにおいて非常に強力なツールとなります。
SSA6000Aによる主な解析項目
110 GHz分散増幅器とRFSoCの組み合わせにおいて、SSA6000Aで実施すべき主要な解析は以下の通りです。
1. 高次高調波とスプリアスの広帯域観測
SSA6000Aは最大50 GHz(外部ミキサー併用で110 GHz超)までの解析をカバーします。
高調波解析: 分散増幅器の広帯域特性ゆえに発生しやすい2次・3次高調波のレベルを正確に測定できます。
スプリアス確認: RFSoCのサンプリング・イメージや、アップコンバート時のLOリークが、増幅器でどのように増幅・飽和しているかを一括でモニター可能です。
2. EVM(エラーベクトル振幅)と変調解析
Wi-Fi 7/8や次世代通信の評価において、SSA6000Aの変調解析オプションが威力を発揮します。
分散増幅器のP1dB付近での動作時、1024-QAMや4096-QAMの星座図(Constellation)がどの程度歪むかをリアルタイムで数値化できます。
RFSoC側のデジタル補正(DPD)をかけた際、増幅器の非線形性がどれほど改善されるかの定量的評価に最適です。
3. DANLとフェーズノイズの評価
SSA6000Aは非常に低いDANL(表示平均雑音レベル): -165 dBm/Hzを誇ります。
NFの裏付け: 増幅器のNF(雑音指数)がシステム全体のノイズフロアに与える影響を、スペクトラム上で直接確認できます。
フェーズノイズ: RFSoCのサンプリングクロックやアップコンバート用LOの位相雑音が、増幅後の信号品質にどう寄与しているかを解析できます(1 GHz, 10 kHzオフセットで -123 dBc/Hz)。
SSA6000Aの主なスペック
項目 | スペック(SSA6050A等) |
周波数範囲 | 10 Hz 〜 50 GHz (110GHz) |
DANL | -165 dBm/Hz (typ.) |
位相雑音 | <-123 dBc/Hz @1 GHz, 10 kHz offset |
IQ解析帯域幅 | 最大 1.2GHz (オプション) |
画面 | 12.1インチ マルチタッチスクリーン |
実践的な活用アドバイス
110 GHzまでの拡張: SSA6000A本体は50 GHzまでですが、これに外部の高周波ミキサーを組み合わせることで、110 GHz分散増幅器の最終出力を解析可能です。
パワー・レイルの相関: RFSoCや増幅器の電源ラインにノイズが乗ると、スペクトラムにサイドバンドとして現れます。SIGLENTのオシロスコープ(SDS7000A等)と連携し、電源供給(1.8Vライン等)のリップルと信号品質の相関を見ることで、より深いデバッグが可能になります。
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