「rad-hard GaN HEMT」は、耐放射線性の窒化ガリウム(GaN)高電子移動度トランジスタのことです。
各用語の説明
GaN(窒化ガリウム):
Si(シリコン)やSiC(炭化ケイ素)と同様に半導体材料の一つです。
従来のSiよりも高耐圧、高速スイッチング、低損失といった優れた特性を持つ次世代パワー半導体の材料として注目されています。
HEMT (High Electron Mobility Transistor):
日本語では高電子移動度トランジスタと呼ばれます。
GaNなどの異なる半導体材料の接合面で電子が高速に移動する層を利用したトランジスタ構造です。GaNの高いポテンシャルを引き出すために用いられます。
rad-hard (Radiation Hardened):
耐放射線性を意味します。
宇宙空間や原子力設備など、高エネルギーの放射線が降り注ぐ過酷な環境下でも、特性の劣化や誤動作を起こさずに安定して動作するように設計・製造されています。
用途と特徴
用途: 主に宇宙や航空宇宙分野のアプリケーション(人工衛星、探査機など)で、電源システムや電力変換器に使用されます。
特徴:
高い信頼性が求められる環境で、GaNの持つ高電力密度、高効率、小型・軽量というメリットを活かせます。
一般的なGaN HEMTを放射線環境で使用すると素子が劣化しますが、「rad-hard」なものは特殊な設計によりその影響を最小限に抑えています。
つまり、「rad-hard GaN HEMT」は、宇宙などの放射線環境でも安定して高性能を発揮できる、GaNを用いた高速・高効率のパワースイッチング素子と言えます。





















