TGV(Through Glass Via:ガラス貫通電極)を形成するための加工法には、大きく分けて「レーザー改質+エッチング」と「直接レーザー加工(アブレーション)」の2つの主流があります。
特に近年、IntelやSamsungが注目しているのが、圧倒的な精度とスピードを両立する「レーザー改質+エッチング」です。
1. 最有力:レーザー改質+エッチング(LIDE法など)
「レーザーで『傷』をつけ、薬液で『掘る』」という2ステップの工法です。LPKF社のLIDE(Laser Induced Deep Etching)技術などが有名です。
レーザー照射(改質): 超短パルスレーザー(フェムト秒やピコ秒)をガラスに照射します。この際、ガラスを削るのではなく、光が通った道の物理的・化学的性質だけを変化(改質)させます。
ウェットエッチング: 照射後のガラスをフッ酸などの薬液に浸します。すると、レーザーで改質された部分だけが未処理部分より100倍近く速く溶けるため、非常に細くて垂直な穴が一気に開きます。
メリット: 微細な穴(直径10μm以下)を高密度に、クラック(ひび割れ)なく加工できる。一度に数万個の穴をエッチングできるため生産性が高い。
2. 直接レーザー加工(レーザーアブレーション)
レーザーのエネルギーでガラスを直接蒸発させて穴を開ける、よりシンプルな方法です。
CO₂レーザー加工: 比較的大きな穴(50〜100μm以上)を高速に開けるのに適しています。既存のプリント基板(PCB)向け設備を流用しやすいメリットがあります。
高調波レーザー加工: より波長の短いレーザーを使い、熱影響を抑えながら精密に削り取ります。
デメリット: 1つずつ穴を開けるため、穴の数が増えると時間がかかる。また、熱による微細なひび割れ(チッピング)が発生しやすい。
3. その他の特殊な加工法
感光性ガラス法: ガラス自体に感光性を持たせ、半導体露光のようにパターンを焼き付けてからエッチングします。非常に高精度ですが、専用の特殊ガラスが必要でコストが高いのが難点です。
放電加工(ECDM): 溶液中で火花を飛ばしてガラスを削る方法ですが、現在は研究や特殊用途がメインです。
4. 加工法による比較
項目 | レーザー改質+エッチング | 直接レーザー(CO₂) |
穴径 | 極小 (10μm以下も可) | 大きめ (50μm〜) |
穴の形状 | 垂直・高アスペクト比 | すり鉢状(テーパー)になりやすい |
加工速度 | 非常に速い(一括処理) | 穴の数に比例 |
品質 | クラックがほぼ無い | 微細な欠けが発生しやすい |
主な用途 | 最先端AIチップ用基板 | 一般的な通信モジュール等 |
実用化の鍵:日本企業の役割
このTGV加工において、日本電気硝子(NEG)やDNP(大日本印刷)は「レーザー改質+エッチング」に最適化したガラス材料や加工サービスを2025年〜2026年に向けて本格展開しています。
特に、レーザーを当てた時にきれいに「改質」され、かつエッチング液で均一に溶ける専用のガラス組成の開発が、歩留まり向上の最大のポイントとなっています。
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お礼、
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