VNA(ベクトル・ネットワーク・アナライザー)とロードプル(インピーダンス・チューナー)システムを組み合わせた、NF(雑音指数)最小領域測定(ノイズパラメータ測定)は、高周波(RF/マイクロ波)アンプやトランジスタ(GaAs、GaN、InP等)の低ノイズ設計(LNA設計)において極めて重要なプロセスです。
本構成におけるシステム概要、NF最小領域の決定手法、および最新の測定技術について整理して解説します。
1. なぜ「VNA + ロードプル」が必要なのか?
デバイスのノイズ性能は、入力ポートに接続されるインピーダンス(信号源インピーダンス:)の偏りによって変化します。この挙動は以下のノイズパラメータ方程式で記述されます。
![]() |
ロードプル装置(ソース・インピーダンス・チューナー)の役割は、Γs をスミスチャート上で様々に変化させることです。そしてVNA(コールドソース法等による高精度NF測定機能付き)が各インピーダンスでのNFとSパラメータを測定します。
2. 「NF最小領域(Fmin と Γopt)」を特定するアプローチ
スミスチャート上でNFの等高線(ノイズサークル)を描き、中心にある「NF最小のピンポイント領域(Γopt)」を正確に割り出すために、測定は以下の手順(4点法以上のフィッティング)で行われます。
多点のインピーダンス変化(ソースプル):
チューナーにより、Γopt が予想される領域の周辺に、異なる複数の信号源インピーダンス(最低4点、精度向上のため通常は10〜20点以上)を提示します。ノイズパワーとSパラメータの同時測定:
VNAはそれぞれのインピーダンス点において、デバイスが実際に出力するノイズパワーを精密に測定します。数学的フィッティング(抽出):
測定された複数の「Γs とその時のNF」のデータを上記の方程式にプロットし、最小二乗法などの数学的アルゴリズムを用いてフィッティングを行います。これにより、直接物理的にインピーダンスを合わせ込まなくても、計算によって正確な Fmin と Γopt の位置(NF最小領域)を特定できます。
![]() | 負荷インピーダンスを変化させ、NF最小ポイントを探す |
参考:microwavejournal March 13, 2024
Advancing PA Test Methods With VNA-based Wideband Active Load-Pull
3. 主なシステム構成と提供メーカー
現代の「VNAベース・ベクトル受信機ロードプル」方式は、外付けのNFメーターが不要で、極めて高速かつ高精度に測定できます。
インピーダンス・チューナー(ロードプル装置)メーカー
Maury Microwave(モーリー・マイクロウェーブ):KeysightのVNAと親和性が高く、超高速に周波数を掃引しながらノイズパラメータを抽出する「超高速ノイズパラメータ測定技術(Swept-Frequency Method)」を確立しています。
Focus Microwaves(フォーカス・マイクロウェーブ):パッシブチューナーだけでなく、高 Γ (高い反射係数)を実現するアクティブロードプルや、ミリ波帯に対応する高精度チューナーに定評があります。
VNA(ベクトル・ネットワーク・アナライザー)メーカー
Keysight Technologies(キーサイト):PNA-Xシリーズ(N524xB) などのハイエンドモデル。内蔵のコールドソース型NF測定機能および受信機キャリブレーション機能により、チューナー損失を完全自動補正してDUT直下のNFを算出します。
Rohde & Schwarz(ローデ・シュワルツ):R&S ZNAシリーズ。ダイレクト・レシーバー・アクセスが優秀で、外部の結合器やチューナーを挟んだ状態での校正面(DUTリファレンスプレーン)の位相・振幅安定度が非常に高いのが特徴です。
4. 測定を成功させるための重要なポイント
キャリブレーション(校正)の不確かさ低減:
ノイズパラメータ測定では、チューナーそのものの損失や、接続するバイアスティー、ウエハプローブの損失がNFの計算結果に直接影響します。そのため、VNAのフル2ポート校正、およびチューナーの各ステートにおけるSパラメータ特性の「事前マッピング(キャラクタライズ)」を完璧に行う必要があります。コールドソース法(Cold Source Method)の採用:
従来のYファクタ法(ノイズソースをON/OFFさせる方法)では、ノイズソース自体のインピーダンス変化がデバイスのNFを狂わせる問題がありました。VNAのコールドソース法であれば、入力を室温(Cold状態)に固定したままロードプルのインピーダンスだけを変化させられるため、微小なNF最小領域を正確に捉えることが可能になります。
測定対象のデバイスの種類(オンウエハのトランジスタ、またはコネクタ付きLNAモジュールか)
想定している動作周波数帯(例:数GHz帯、または5G/ミリ波帯、Wバンドなど)
現在保有している、あるいは導入検討中のVNAやチューナーの具体的な型番
PR:弊社取り扱い kTB社 High ENR Noise Sources (ENR > 40dB)
The KTB k2600 Series High ENR Noise Source embody excellent stability with temperature and voltage.
https://ktbsolutions.com/high_enr_noise_sources
PR:SIGLENT SSA5000A のノイズフィギュア測定 400万円台で実現可能
![]() | SIGLENT SSA5000A のノイズフィギュア測定機能は、エンジニアに高精度でノイズフィギュアを迅速かつ効果的に測定できるシンプルなツールを提供します。 |
PR:
![]() | ![]() kTB社製ノイズソースk346シリーズの新規購入 または、 Noisecom NC346シリーズ NC346A/346B 、HP/Agilent/Keysight 346A/346B等のノイズソースを お持ちの場合使用可能です。 |
PR:
![]() | SMM3000Xシリーズ 高精度ソースメジャーユニット・表示桁数:6½桁(2,100,000カウント) ・SMM3311X(1ch) / SMM3312X(2ch) ・価格:90万円~ |
![]() ・USB VNA | ![]() |
![]() | SDS8000Aシリーズ オシロスコープ 特長と利点 |
![]() | SSG6M80Aシリーズ |
![]() | ![]() |
![]() | SSA6000A Series Signal Analyzer Main Features |
![]() | SNA6000A Series Vector Network Analyzer Key Features |
お礼、
T&Mコーポレーションは設立5年ですが、おかげさまで業績を着実に伸ばしており、
オフィスを港区芝(最寄り駅浜松町)に移転し、スペースも拡大いたしました。
電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に
T&Mコーポレーションはお客様のご予算を最大限生かす製品群をご提案させていただいております。
























