Wi-SUNとZigBeeは、どちらもIEEE 802.15.4をベースとした低消費電力の無線規格(メッシュネットワーク対応)ですが、その「戦場(ターゲット領域)」と「物理的な特性」には明確な違いがあります。
一言で言えば、「屋外・広域インフラのWi-SUN」 vs 「屋内・近距離コンシューマーのZigBee」 という棲み分けがなされています。
1. 物理層(周波数帯)と伝搬特性の違い
最も大きな違いは、使用する周波数帯と、それに伴う「電波の飛び方」です。
項目 | Wi-SUN (FAN 1.1) | ZigBee (ZigBee 3.0) |
周波数帯 | サブギガ帯 (920MHz等) | 2.4GHz帯 |
回り込み特性 | 高い(障害物に強く、壁を抜ける) | 低い(直進性が強く、壁に弱い) |
干渉源 | 少ない | 多い(Wi-Fi, Bluetooth, 電子レンジ等) |
通信距離 | 単一ホップで数百m 〜 1km超 | 数十m程度 |
2. ネットワークの規模とトポロジー
どちらもメッシュネットワークを構築しますが、想定されている「深さ」と「規模」が異なります。
Wi-SUN (FAN 1.1):
規模: 一つのゲートウェイ(Border Router)の下に数千台のデバイスを収容可能。
構造: 都市レベルの広域(数km四方)をカバーするための多段ホップ。
IP接続: 標準でIPv6を採用しており、インターネットとの親和性が極めて高い。
ZigBee:
規模: 数十台〜数百台程度(家庭内やオフィス内)。
構造: 部屋をまたぐ程度のメッシュ。
IP接続: 非IPが主流(ZigBee IPも存在するが普及せず)。ゲートウェイでプロトコル変換が必要。
3. 主なユースケースの棲み分け
分野 | Wi-SUNの領域 | ZigBeeの領域 |
エネルギー | スマートメーター (A/Bルート) | 宅内家電の制御 (一部) |
住宅 | HEMS(HEMSコントローラ間) | 照明(Philips Hue等)、鍵、センサー |
都市 | 街路灯管理、駐車場監視、水道監視 | ほぼ活用されない |
産業 | 広大な工場敷地内のセンサー網 | 小規模なラボや倉庫内の管理 |
4. なぜ「棲み分け」が発生したのか?
Wi-SUNの選択理由:
スマートメーターのように、家の外(コンクリート壁の向こう)や電柱に設置されるデバイスには、2.4GHz帯のZigBeeでは届きません。「障害物を回り込み、確実に届く」サブギガ帯のWi-SUNがインフラには必須でした。
ZigBeeの選択理由:
2.4GHz帯は世界共通で安価なチップが手に入りやすく、かつデータレートが比較的高い(250kbps)ため、「安価なスマートホームデバイス」を大量に作るのに適しています。
5. 2026年現在の交差点(Matterの影響)
最近のトレンドとして、共通規格 Matter の登場があります。
Matterは主に Thread (IEEE 802.15.4 + IPv6) を採用しており、ZigBeeの後継的な立ち位置にあります。
これにより、宅内は「Matter (Thread)」、屋外やインフラ接続は「Wi-SUN」という、「IPv6ベースの階層的な棲み分け」がより強固になっています。
RFSoC/FPGA開発における視点
4.5GHz帯のような高周波数帯を評価されている現状では、ZigBee(2.4GHz)よりも高周波数特有の課題(直進性や減衰)に直面されているはずです。
Wi-SUN FAN 1.1は、そうした「物理的に厳しい条件」を、メッシュのルーティングアルゴリズムや物理層のOFDMでいかにカバーするかという思想で作られています。
PR:
製品紹介:SIGLENT社
SAP4000PSIGLENT SAP4000P アクティブ・プローブ 4GHz、35V1,067,000円詳しく見るT&M 即納ストアで購入
パワーインテグリティ測定用シグレント・パワーレールプローブSAP4000P
SAP4000P パワーレール・プローブ, 4 GHz, オフセット電圧範囲:±24 V, ¥880,000
https://tm-co.co.jp/SAP4000P_UserManual
PR:
お礼、
T&Mコーポレーションは設立5年ですが、おかげさまで業績を着実に伸ばしており、
オフィスを港区芝(最寄り駅浜松町)に移転し、スペースも拡大いたしました。
電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に
T&Mコーポレーションはお客様のご予算を最大限生かす製品群をご提案させていただいております。






























