最新のSiC MOSFETは、これまで主流だったプレーナー型から、より高効率なトレンチ型へと移行が進んでいます。しかし、トレンチ構造には「ゲート酸化膜に電界が集中しやすい」という独自の弱点があるため、これを克服するために各社が最新の構造を採用しています。
1. プレーナー型とトレンチ型の構造比較
トレンチ型は、SiCウェハに溝(トレンチ)を掘り、その側面にゲートを形成する構造です。
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プレーナー型 (Planar): ゲートが表面に平らに置かれています。構造がシンプルで信頼性が高い反面、電流が横に流れるため抵抗(JFET抵抗)が大きく、小型化に限界があります。
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トレンチ型 (Trench): 垂直に溝を掘ることで、電流を縦方向に真っ直ぐ流します。これにより抵抗を劇的に下げ、一つのチップにより多くの素子を詰め込めます。
2. トレンチ型の「急所」と最新の劣化抑制策
トレンチ型の最大の課題は、トレンチの底角(コーナー部)に高い電界が集中し、ゲート酸化膜が破壊されやすいことです。これを防ぐために、最新デバイスでは以下のような工夫が凝らされています。
① 非対称トレンチ(ローム、オンセミ等)
トレンチの片側だけをゲートとして使い、もう片側に深い $p^{+}$ 層を配置する構造です。これにより電界をゲートから遠ざけ、酸化膜を守りつつ抵抗も下げています。
② V溝型トレンチ(住友電工)
溝を「U字」ではなく「V字」に掘る技術です。SiCの特定の結晶面(0-33-8面)を利用することで、チャネル移動度を向上させ、低損失と高信頼性を両立させています。
③ 二重トレンチ / 電界緩和層の導入(三菱電機、東芝など)
トレンチ底部の下に、さらに不純物を注入した領域(ボトムプロテクション層)を設けます。
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仕組み: この層が「防波堤」のような役割を果たし、ドレイン側からの高い電圧が直接ゲート酸化膜に触れないように保護します。
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最新動向: 2024〜2025年の最新チップでは、この電界緩和層の抵抗を下げることで、スイッチング速度を落とさずに信頼性を高める技術(側面接地など)が実用化されています。
3. 2026年時点での最新トレンド:プレーナーの逆襲とSJ構造
驚くべきことに、オンセミ(onsemi)などが発表した最新の 「M3e」テクノロジー のように、あえてプレーナー型を進化させてトレンチ型を凌駕する性能(低抵抗と高短絡耐量の両立)を出す動きも出ています。
また、スーパージャンクション(SJ)構造をSiCに適用する研究も加速しており、従来の限界を超える低抵抗化が図られています。
出典:Google Gemini
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