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CBKR(Cross-Bridge Kelvin Resistor)構造 (TEG)

GLOSSARY

CBKR(Cross-Bridge Kelvin Resistor)は、半導体プロセスの評価において、特定のコンタクト(接触部)1個あたりの「コンタクト抵抗(接触抵抗)」を極めて正確に測定するための特殊なレイアウト構造です。

微細化が進む現代のチップ設計において、CBKRのレイアウトには「電流の回り込み(Current Crowding)」による誤差をどう抑えるかという高度なノウハウが求められます。


1. CBKRの基本構造と測定原理

CBKRは、下層配線(例:拡散層や下層メタル)と上層配線(例:上層メタル)が十字に交差する中心に、測定対象となる「コンタクトホール」を1個だけ配置した形状をしています。

  • 電流経路 (Force): 十字の片方の軸(例:左から下へ)に電流 I を流します。

  • 電圧測定 (Sense): もう片方の軸(例:右から上へ)の電位差 V を測定します。

  • 理論: コンタクト部以外に電流が流れないため、理論上 R = V/I でコンタクト1個の抵抗が求められます。


2. レイアウト設計における最重要注意点:δ(デルタ)の制御

CBKRの測定誤差の最大要因は、オーバーラップ(δ: Delta)と呼ばれる、コンタクトホールの縁から配線の端までの「はみ出し量」です。

① 電流回り込み(Current Crowding)の抑制

配線幅がコンタクト径よりも太い(δ > 0)場合、電流がコンタクトの側面や周囲に回り込んでしまい、実効的な抵抗値が小さく(あるいは寄生成分で大きく)測定されてしまいます。

  • 最新の対策: 極限まで誤差を減らすには、δ = 0(コンタクト径と配線幅を一致させる)レイアウトが理想とされます。ただし、製造ばらつきによる合わせズレを考慮し、あえて最小限の δ を持たせるのが実務的です。

② 2D/3Dシミュレーションによる補正

近年の極微細コンタクト(数nmオーダー)では、δ をゼロにしても電流分布の不均一が生じます。

  • 設計の工夫: 測定した Rmeasured に対して、シミュレーションから得られた補正係数を掛け、真の比接触抵抗ρc(Ω ・ cm2)を算出することを前提にレイアウトを標準化します。


3. 具体的なレイアウト・チップ配置のコツ

項目

具体的な設計指針

タップの取り方

電圧を測る「アーム」は、コンタクト部の直近から引き出す。アームが長いとノイズを拾いやすくなるため、最短距離で太い配線(パッド)へ繋ぐ。

電流密度への配慮

微細なコンタクトに大電流を流すと、エレクトロマイグレーション(配線破壊)や自己発熱が起きます。測定電流 I を数μA単位で制御できるよう、保護抵抗やテスト仕様を設計段階で決めておきます。

ダミーの排除

CBKRの交差部周辺には、寄生容量や寄生電流を避けるため、可能な限り金属ダミーパターンを置かない「禁止領域」を設定します。


4. CBKR vs TLM(使い分け)

レイアウト設計時にどちらを採用すべきか迷うことが多いため、比較表をまとめました。

特徴

CBKR (Cross-Bridge)

TLM (Transfer Length Method)

測定対象

単一コンタクトの絶対値

複数のコンタクト+配線の平均値

精度

非常に高い(低抵抗に強い)

中程度(配線抵抗の影響を受けやすい)

面積

十字構造のため面積を食う

直線上に並べるためスリム

主な用途

先端プロセスの材料評価

量産ラインの工程モニタ(WAT)


次のステップへの提案

CBKRの設計において、「使用するプロセス(例:CMOS 5nmなど)」や「測定対象の材料(例:TiN/Siコンタクトなど)」によって、最適な δ の寸法値やアームの太さが変わります。

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