2026年2月現在応用物理学会(JSAP)は、ペロブスカイト太陽電池(PSC)の研究者や企業担当者が一堂に会する「最前線の発表の場」となっています。
特に「重ね貼り施工」に関連する発表では、これまでの「研究室レベルの効率競争」から、より実践的な「社会実装・量産化・耐久性」へと議論の軸が移っています。
2026年春季講演会(東京科学大学)での注目トピック
直近の発表やトレンドを踏まえると、以下の3点が大きな柱となっています。
1. 「重ね貼り」を支える大面積・連続成膜技術
「重ね貼り」には、フィルム状の大きなパネルを安く作る必要があります。
ロール・トゥ・ロール(R2R)技術: 新聞を印刷するように、長いフィルムにペロブスカイト層を高速で塗る技術の発表。
均一性の向上: 大面積(30cm角以上)になっても発電ムラが出ないような、新しい塗布用溶媒や乾燥プロセスの提案。
2. シリコンとのタンデム(積層)構造
既存の太陽光パネルに重ねて効率を底上げする「タンデム型」も主要テーマです。
全ペロブスカイト・タンデム: シリコンを使わず、異なる性質のペロブスカイト同士を重ねることで、軽量さを維持したまま高効率(30%超)を目指す研究。
中間層の最適化: 2つの層を電気的につなぐ「トンネル接合層」のロスを減らすための、ナノレベルの材料設計。
3. 実環境下での「耐久性」と「施工性」
「貼った後にどれだけ持つか」という切実な課題への回答です。
屋外暴露試験のデータ: 1年以上の屋外設置(横浜や沿岸部など)での劣化データの公開。
封止(パッキング)技術: 水分を遮断しつつ、重ね貼りの柔軟さを損なわない薄膜封止材料の発表。
学会発表から見える「現場」の変化
以前は「効率25%を達成した」という内容が中心でしたが、最近は以下のような発表が増えています。
「自動作製システムによる実験の高速化」
人の手を介さず、AIとロボットを使って最適な「重ね貼り」の材料配合を自動で見つけ出す研究が進んでいます(産総研などの発表)。
「垂直面(壁)での発電特性」
ビル壁面に貼った際、太陽の角度が変化しても効率が落ちにくい表面構造の研究など、より実用に近い議論が行われています。
次のステップ:学会での議論を追いかけるには
応用物理学会の講演内容は、プログラム公開後に「Confit(コンフィット)」などの抄録サイトで検索が可能です。
注目組織: 桐蔭横浜大学(宮坂研)、京都大学(若宮研)、東芝、積水化学、パナソニック、産総研
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