ベクトルとテンソルは、物理学、工学、そして機械学習において、量やデータを表現するための基本的な数学的概念です。
テンソル(Tensor)
テンソルは、スカラーやベクトルを一般化した概念であり、PyTorchを含むディープラーニングライブラリにおいてデータの基本構造として使われます。
直感的な定義:
次元(階数 / Rank):
テンソルの次元は、そのインデックスの数、または配列のネストの深さで定義されます。
階数 (Rank) | 名称 | 例 |
0 | スカラー (Scalar) | 単一の数値 (例: 5, -1.2) |
1 | ベクトル (Vector) | 1次元配列 (例: [1, 2, 3]) |
2 | 行列 (Matrix) |  |
3以上 | 高階テンソル | 3次元以上の配列 (例: 256 X 256 のRGB画像は 256 X 256 X 3 の3階テンソル) |
PyTorchでの役割: PyTorchでは、入力データ、中間計算結果、モデルの重みなど、すべてのデータがテンソルとして扱われます。テンソルは、CPUだけでなくGPUでの高速な計算を可能にします。
➡️ ベクトル(Vector)
ベクトルは、テンソルの特殊なケース(1階テンソル)であり、大きさと方向の両方を持つ量を表します。
数学的な定義:
順序付けられた数のリスト(1次元配列)です。
例えば、2次元空間のベクトル は、原点から点 に向かう矢印として表現されます。
物理的な意味:
力、速度、加速度など、方向が重要な量に使われます。
機械学習での意味:
特徴量(Feature)を表現するのに使われます。例えば、ある人物の年齢、身長、体重を並べたものはベクトルです。
両者の関係
特徴 | ベクトル | テンソル |
階数 (Rank) | 1 | 0以上 (スカラー、ベクトル、行列など全てを含む) |
概念 | 大きさと方向を持つ量、または1次元配列 | 多次元配列を一般化したもの |
機械学習での役割 | 個々のデータポイントの特徴量 | すべてのデータ、重み、勾配の基本データ構造 |
ベクトルはテンソルの一種であり、特に1階のテンソルのことを指します。テンソルは、より高次元の複雑なデータを扱うために、ベクトルや行列を包括的に拡張した概念だと理解すると良いでしょう。
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