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ロゴスキー・コイル電流プローブとは

GLOSSARY

ロゴスキー・コイル電流プローブとは

ロゴスキー・コイル電流プローブ(Rogowski Probe)とは、電流を測定するための非接触型のセンサで、交流電流の波形を高精度・広帯域で観測するためのプローブです。特に、高電流・高速スイッチング回路の測定に適しており、パワーエレクトロニクスやモータードライブ分野で広く活用されています。


原理と構造

ロゴスキー・コイル電流プローブは、トロイダル(円形)形状の空芯コイルを電流導体に巻き付ける構造になっています。導体に流れる時間的に変化する電流(交流)に応じて、コイルに誘導電圧が発生します。この電圧を積分回路で処理することで、電流波形として再現します。

電流の変化(di/dt)に比例する電圧を検出し、積分することで電流を得る


特徴と利点

  • 非接触測定が可能(回路を切断せず測定できる)

  • 広い周波数帯域に対応(数Hz〜数MHz)

  • 高電流対応(数kAまで)

  • 小型・軽量で取り回しが良い

  • 絶縁性が高く、安全性に優れる


ロゴスキー・コイル電流プローブの主な用途

用途

説明

インバータ・モーター駆動回路の電流波形測定

スイッチング動作中の電流変動を精密に観測

パワーエレクトロニクスの評価

IGBTやMOSFETのスイッチング損失評価など

ノイズ解析・突入電流の観測

急激な電流変動の追跡に有効

非破壊での電流測定

回路を変更せずにクランプするだけで測定可能


使用上の注意点

  • DC(直流)成分は測定できない
    ロゴスキー・コイル電流プローブは交流専用です。直流電流を測定する場合は、ホール効果型電流プローブなどが必要です。

  • 積分器の安定性に依存する
    測定波形は積分回路で復元されるため、ゼロ点ドリフトやオフセットに注意が必要です。

  • 取り付け位置・ループ形状によって感度が変化
    導体をプローブの中心に正確に配置することで、正確な測定が可能になります。


他の電流プローブとの違い

項目

ロゴスキー・コイル電流プローブ

ホール効果型

シャント抵抗

測定方式

誘導+積分

磁界検出

電圧降下測定

DC測定

不可

可

可

高周波応答性

優秀

中程度

優秀(だが発熱あり)

非接触

可

可

不可(回路に挿入)

絶縁性

高い

高い

低い(GND共有)


まとめ

ロゴスキー・コイル電流プローブは、非接触で広帯域・高電流のAC測定が可能な電流測定ツールです。特に、スイッチング電源やインバータのような高速・高電圧・高電流の電力回路において、安全かつ高精度な測定を実現します。適切な使用方法と環境整備により、より信頼性の高い波形観測が可能となります。

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