Routed Optical Networking (RON) は、ルーター(IPレイヤー)と光伝送システム(DWDMレイヤー)を密接に融合・統合した次世代のネットワークアーキテクチャです。
これは、ルーターのポートにプラガブル・コヒーレント光トランシーバ(例:400ZR/ZR+、800ZR/ZR+)を直接装着することで、従来のトランスポンダ(光伝送専用の装置)を省略し、IP信号をそのまま長距離のDWDM(密着波長分割多重)ネットワークに送出することを可能にします。
RONは、以前から議論されていた「IP over DWDM」や「IP Optical」の現代的な実装であり、特に大規模データセンター間接続(DCI)やメトロネットワークにおいて、ネットワーク構成の簡素化とコスト効率の向上を実現するソリューションとして注目されています。
RON のアーキテクチャとメリット
1. アーキテクチャの簡素化
従来のネットワークは「IP層」「OTN層(トランスポンダ)」「DWDM層」の3層構造でした。
従来: ルーター → 短距離光 → トランスポンダ(光電変換/長距離光変換) → DWDM多重化装置
RON: ルーター(プラガブル・コヒーレント) → 長距離光(DWDM波長) → DWDM多重化装置
効果: RONはトランスポンダ層をルーター内部に集約するため、ネットワークをIP層と光層の2層にシンプル化できます。
2. 主なメリット
メリット | 詳細 |
コスト削減 | トランスポンダ装置の購入・設置が不要になるため、設備投資(CAPEX)を大幅に削減できます。 |
省スペース/省電力 | 専用装置がなくなることで、ラック占有スペースが減り、光電変換プロセスが簡略化されることで消費電力が最大30%以上削減されます。 |
運用効率の向上 | 障害点や管理する装置の種類が減り、IPネットワークのエンジニアがルーターを通じて光伝送層の状態(OSNR、CDなど)を監視できるため、運用(OPEX)が合理化されます。 |
自動化の推進 | IPルーターの自動化機能(EVPN、Segment Routingなど)と光レイヤーが連携しやすくなり、トラフィックエンジニアリングや冗長化の自動制御が容易になります。 |
3. RON の鍵となる技術
RONを実現する中核技術は、前述のプラガブル・コヒーレントモジュールです。
プラガブル・コヒーレント: 400ZR/ZR+ や 800ZR/ZR+ など、長距離・大容量伝送機能を小型化し、ルーターのポートに直接挿入を可能にしました。
高性能 DSP: モジュール内部で光信号の品質劣化を補償し、長距離伝送を可能にします。
DWDM 技術: 複数の波長を1本の光ファイバで多重化し、大容量伝送を実現します。
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