本文へ移動

DVB-S2Xの「スループット(伝送効率)」が具体的にどう変化するか

GLOSSARY

大気ゆらぎ(ガンマ・ガンマ分布)とポインティングロス(ベックマン分布)が複合する環境下で、DVB-S2Xのスループットがどのように変化するかを、具体的なメカニズムとともに解説します。


1. SNR(信号対雑音比)の動的変動とスループット

大気環境下では、受信側のSNRは一定ではなく、激しく上下に変動します。DVB-S2Xの最大の特徴は、この変動に対して「階段状のスループット特性」を持つことです。

  • 理想的な環境(クリアスカイ):

  • SNRが高い状態では、256APSKなどの高次変調と高い符号化率(例:9/10)が選択され、理論上の最大スループットに到達します。

  • ゆらぎ・ポインティングロス発生時:

  • 瞬間的にSNRが低下すると、DVB-S2XはACM(適応変調符号化)により、より低次の変調(QPSKなど)と低い符号化率(1/4 など)へ即座に切り替えます。これにより、スループットは段階的に低下しますが、「通信の完全な遮断」を回避します。


2. フェージングの深さとスループットの相関

シミュレーション上では、大気ゆらぎの強さを示すシンチレーション指数 (σI2) やポインティングジッタが増大するにつれ、平均スループットは以下のように変化します。

スループット低下の3段階

  1. マージン消費領域: ゆらぎが小さければ、FECの訂正能力の範囲内で吸収され、最大スループットを維持します。

  2. ACM追従領域: ゆらぎが FEC の能力を超え始めると、変調方式が下がり、スループットは「右肩下がり」に減少します。

  3. アウトレージ(切断)領域: SNRがDVB-S2Xの最小動作閾値(例:QPSK 1/4、約 -2.35 dB)を下回ると、スループットはゼロになります。

条件

変調/符号化率 (ModCod)

理論的効率 (bit/s/Hz)

通信の安定性

極めて安定

256APSK, 9/10

~7.0

非常に高い

中程度のゆらぎ

16APSK, 2/3

~2.6

安定

強いゆらぎ

QPSK, 1/4

~0.5

限界状態


3. 実効スループットを最大化する「ロングインターリーブ」の効果

物理的なModCodの切り替えだけでは防げない「一瞬の深いフェージング」に対しては、時間インターリーブの長さが実効スループットを左右します。

  • インターリーブが短い場合: 瞬断が発生するたびにパケットロスが生じ、上位レイヤ(TCPなど)の制御によってスループットが激減します。

  • インターリーブが長い(数ミリ秒〜秒単位)場合: 瞬断中のデータを時間的に分散させるため、DVB-S2XのLDPC符号が「平均的なSNR」で復号できるようになり、実効スループットの底上げが可能になります。


4. シミュレーション結果のイメージ

大気ゆらぎとポインティングロスを組み合わせたモデルでは、ポインティング精度がビーム幅の10%悪化するだけで、ACMがより安全な(低速な)モードを選択するため、平均スループットが20〜30%低下するという結果も報告されています。


次のステップ

実際の運用では、このスループットを維持するために「地上側のダイバーシティ(複数の地上局で受信する)」という手法も検討されています。

PR:

110GHz複素誘電率測定システム – FPOR製品(ネクステム株式会社)と協調してソリューション提供

弊社とネクステム株式会社は、協調して110GHz複素誘電率測定システム(FPOR:FABRY-PEROT OPEN RESONATOR)を提供いたします。 FPORお問い合せ先: ネクステム株式会社 ホームページhttp://www.nextem.co.jp/ Email: info@nextem.co.jp 電話:06-6977-7027 システムカタログ ダウンロード ネクス[…]

https://tm-co.co.jp/nextem_fpor/

  • 10MHz~110GHz誘電率測定セミナ・デモ風景

  • QWED社:FPOR:FABRY-PEROT OPEN RESONATOR

Dielectric constant:Dk = 1 – 15 (accuracy ± 0.2 %)

Loss tangent:Df > 5 × 10–6 (accuracy ± 2 %)

  • Ceyear社:3674P 10MHz~110GHz VNA ¥47,620,000.~

1.0mmコネクタケーブルによる直接接続(VNAにエクステンダ不要)

PR:

SDS8000Aシリーズ オシロスコープ

特長と利点
4チャンネル + 外部トリガーチャンネル
アナログチャンネル帯域幅:最大16GHz(8/13/16GHz)
リアルタイムサンプリングレート:最大40GSa/s(全チャンネル同時)
12ビットADC
低ノイズフロア:16GHz帯域幅で176μVrms
SPOテクノロジー
・ 波形キャプチャレート:最大200,000フレーム/秒
・ 256段階の波形輝度と色温度表示をサポート
・ 最大2Gポイント/チャンネルのストレージ容量
・ デジタルトリガー

SSG6M80Aシリーズ
マルチチャネル・コヒーレント・マイクロ波信号発生器
主な特長
・最大周波数 13.6 GHz/20 GHz
・出力周波数分解能 最大0.001 Hz
・位相ノイズ < -136 dBc/Hz @ 1 GHz、オフセット 10 kHz(測定値)
・コヒーレントモード、搬送周波数 = 10 GHz、周囲温度変動 ±2℃、観測時間 5時間、位相変動 < 1.5°
・チャンネル間の周波数、振幅、位相を個別に調整可能。単一デバイスチャンネル同期および複数デバイスチャンネル位相同期をサポート。位相メモリ機能搭載
・アナログ変調、パルス変調(オプション)

SSA6000A Series Signal Analyzer

Main Features
・Measurement Frequency Range: 2 Hz ~ 50 GHz
・IQ Analysis Bandwidth: 1.2 GHz
・Real-time Spectrum Analysis Bandwidth: 400 MHz
・Phase Noise: -123 dBc/Hz @ 1 GHz, 10 kHz offset
・DANL: Less than -165 dBm/Hz
・Demodulation and analysis of signals from multiple mobile communication standards including 5G NR, LTE/LTE-A, WLAN, and IoT, as well as wireless connections.

SNA6000A Series Vector Network Analyzer

Key Features
・Frequency Range: 100 kHz ~ 50 GHz
・Dynamic Range: 135 dB
・IF Bandwidth Range: 1 Hz ~ 10 MHz
・Output Power Setting Range: -60 dBm ~ +20 dBm
・Supports 4-port (2-source) S-parameter measurements, differential (balanced) measurements, time-domain analysis, scalar mixer measurements, etc.
・Optional accessories include electronic calibration kits, switch matrix, and mechanical switches.

お礼、

T&Mコーポレーションは設立5年ですが、おかげさまで業績を着実に伸ばしており、
オフィスを港区芝(最寄り駅浜松町)に移転し、スペースも拡大いたしました。
欧米計測器メーカーが値上げをする中、(110GHz VNAでは1億円超え)
弊社では若干の値下げをさせていただき、Ceyear社110GHz VNAは5000万円以下です。
高額な設備投資を伴う製品開発では、市場投入までの時間(Time to Market)の短縮、「スピード感」が求められます。
電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に
T&Mコーポレーションはお客様のご予算を最大限生かす製品群をご提案させていただいております。

関連製品

ほかの用語

用語集の一覧
用語集の一覧へ

CONTACT

この記事に関するご相談・お問い合わせ

会員登録不要。原則1営業日以内にご返信します(土日祝・年末年始を除く)。

今すぐ電話する0120-620-115通話無料平日 9:00〜18:00