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「第8世代IGBT」で具体的にどれくらい小型化が進むのか

GLOSSARY

三菱電機が2025年1月に発表し、2月にサンプル提供を開始した最新の「第8世代IGBT」は、従来の第7世代と比較して、単なる「サイズダウン」以上の驚異的な効率化を果たしています。

具体的にどれくらい小型化・高出力化が進むのか、主な指標をまとめました。


1. ユニット全体で「1.5倍」のパワー密度

第8世代の最大の特徴は、同じサイズ(LV100パッケージという標準規格)を維持したまま、流せる電流の量を大幅に増やしたことです。

  • 定格電流の向上: 従来の1,200A(アンペア)から1,800Aへと、1.5倍に拡大しました。

  • 小型化への影響: これにより、これまで2つのモジュールが必要だった出力を1つで賄えるようになります。システム全体(インバーター)のサイズで考えると、30%〜50%程度の省スペース化が可能になるケースもあります。


2. チップレベルでの進化

チップそのものの性能が上がったため、結果としてデバイス全体を小さく、薄くすることができています。

項目

第7世代との比較

効果

電力損失

約15%低減

発熱が減るため、冷却器(ヒートシンク)を小さくできる。

チップの厚み

さらに薄化

水素による新構造(CPL構造)により、耐圧を保ちつつ薄くすることに成功。

スイッチング速度

向上

新構造(SDA構造)によりノイズを抑えつつ高速動作。周辺部品を小型化できる。


3. なぜ「小型化」がEVにとって重要なのか?

「1.5倍の電流を流せる」という進化は、実際の車づくりに以下のような劇的な変化をもたらします。

  1. インバーターの「手のひらサイズ」化:

  2. 心臓部であるインバーターがさらに小さくなることで、エンジンルーム(フロント)に余裕が生まれ、荷室(フランク)を広げたり、衝突時の安全スペースを確保しやすくなります。

  3. 電力損失15%ダウン = 熱対策の簡素化:

  4. 「損失=熱」なので、損失が15%減れば、それだけ冷やすための水冷ポンプやラジエーターを小型化・軽量化できます。

  5. 多機能化:

  6. 空いたスペースに、他の電子機器(自動運転用ユニットなど)を詰め込むことが可能になります。


まとめ:第8世代は「シリコンの逆襲」

今回の水素のメカニズム解明によって裏打ちされた第8世代IGBTは、「シリコン(Si)でも、次世代材料のSiCに迫る性能を、安価に提供できる」ということを証明しました。

これにより、EVの普及価格帯モデル(300万円〜500万円クラス)において、「航続距離が長く、車内が広く、価格が抑えられたEV」が2020年代後半から一気に増えることになります。

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