NTTがIOWN構想の中で提唱しているPFAM(Pooled/Flexible Access Memory)技術、またはそれを実現する光ディスアグリゲーティッドコンピューティング(ODC)の重要な要素技術。
PFAMは、従来のコンピューティングアーキテクチャの根本的な課題を解決するために、メモリのあり方を革新する技術です。
PFAM(Pooled/Flexible Access Memory)の概要
PFAMは、オールフォトニクス・ネットワーク(APN)と光ディスアグリゲーティッドコンピューティング(ODC)の基盤技術を活用し、以下の特性を持つ次世代のメモリアーキテクチャを実現します。
1. メモリのプール化 (Pooled Memory)
従来のサーバーでは、メモリはCPUに直結され、他のCPUからはアクセスが困難でした。PFAMでは、サーバーからメモリを切り離し、データセンター全体で共有可能な大きなメモリプールとして扱います。
効果: リソースの利用効率が向上します。あるサーバーでメモリが不足しても、他の遊休メモリリソースを動的に割り当てることが可能になります。
2. 広帯域・確定遅延アクセス (Flexible Access)
この分離されたメモリプールと、演算リソース(CPU、GPUなど)間の接続を、従来の電気配線ではなく、広帯域の光技術によって行います。
広帯域(High Bandwidth): 従来の電気配線よりもはるかに大きな容量でデータを転送できるため、演算リソースの要求に応じて瞬時に大量のデータを提供できます。
確定遅延(Deterministic Latency): IOWNのAPN技術により、メモリと演算リソース間の接続を、他の通信の影響を受けない光パスで確保します。これにより、アクセスにかかる遅延が極めて安定し、シミュレーションやリアルタイムAI処理などで重要な予測可能性の高い処理環境が実現します。
柔軟なアクセス: 異なる種類の演算リソース(例えば、CPUとGPU)から、同じメモリプールに対して同時に、しかも確定遅延でアクセスすることが可能になります。
IOWN構想における位置づけ
PFAMは、光ディスアグリゲーティッドコンピューティング(ODC)を実現するための不可欠な要素です。
ODCとPFAMの実現サイクル
分離 (Disaggregation): CPU、GPU、メモリなどのリソースを、個別のユニットとして物理的に分離します。
光接続 (Optical Interconnect): 分離されたリソース間(特に演算リソースとメモリ間)を、光電融合デバイスを介した光インターコネクトで接続します。
構成 (Composability): サービスやワークロード(例:AI学習、デジタルツインシミュレーション)の要求に応じて、プール化されたCPU、GPU、PFAMを動的かつ柔軟に組み合わせて論理的なサーバーノードを構成します。
この技術により、メモリのボトルネックが解消され、AIやHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)などのデータ集約型アプリケーションの性能向上と、データセンター全体の電力効率の改善に大きく貢献することが期待されています。
APNは、IOWN構想が目指す「高速・大容量、低遅延、超低消費電力」な次世代のデジタル社会を実現するための「神経網」の役割を果たします。(NTT・NTTイノベーティブデバイス・NXTEC・古河電工・新光電気)
この動画では、オールフォトニクス・ネットワーク(APN)が従来の通信とどのように異なり、超低遅延や超大容量を実現するのかについて詳しく解説されています。
オールフォトニクスネットワーク(APN)とは? APNの概要をわかりやすくお伝えいたします。
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