FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave:周波数変調連続波)トランシーバは、主にレーダーシステムで距離や速度を測定するために使われる非常にスマートな技術です。
ドローン、自動運転車の衝突防止センサー、あるいはレベル計(液面測定)などで目にする機会が多いですね。
FMCWトランシーバの基本原理
一般的なパルスレーダーが「音を鳴らして反響が返ってくるまでの時間」を測るのに対し、FMCWは「音の高さ(周波数)を変化させながら出し続け、戻ってきた音との高さのズレ」を測ります。
主な構成要素
信号発生器 (VCO): 時間の経過とともに周波数が変化する信号(チャープ信号)を作ります。
送信機 (TX): アンテナから電波を放射します。
受信機 (RX): 対象物から反射してきた電波をキャッチします。
ミキサー: 送信中の信号と受信した信号を掛け合わせ、その「差」の周波数(ビート周波数)を取り出します。
信号処理 (DSP): ビート周波数を解析して、距離や速度を計算します。
なぜFMCWが優れているのか?
高い分解能: 非常に短い距離(数センチ単位)でも正確に測れます。
同時測定: 距離だけでなく、ドップラー効果を利用して相手の「速度」も同時に割り出せます。
低消費電力: 強いパルスをドカンと出す必要がないため、システムを小型・省電力化できます。
距離計算の数式
ターゲットまでの距離 d は、ビート周波数 fb 、掃引時間 T 、掃引帯域幅 B 、および光速 c を用いて以下のように表されます。
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トレンド:ミリ波(mmWave)
最近では、60GHzや77GHz帯のミリ波FMCWトランシーバが主流です。アンテナまで含めて一つのチップ(SoC)に収まるほど小型化が進んでおり、スマホのジェスチャー操作やバイタルサイン(呼吸・心拍)の非接触検知にも応用されています。
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