オシロスコープを使用して正確な測定を行う際、システム全体の利用可能最大帯域幅(合成帯域幅)は、オシロスコープ本体の帯域幅とプローブの帯域幅の組み合わせによって決まります。
重要なのは、システム全体の帯域幅は「数値が低い方(遅い方)の機器よりもさらに低くなる」という点です。
1. 合成帯域幅の計算式
オシロスコープとプローブの応答特性がガウス型(一般的な立ち上がり特性)であると仮定すると、合成帯域幅 は以下の公式で近似的に求められます。
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このように、同じ帯域幅を組み合わせても、システムとしては元の約70%程度まで低下してしまいます。
2. 立ち上がり時間(Rise Time)との関係
デジタル信号の測定では、帯域幅よりも「立ち上がり時間」が重要になることが多いです。システム全体の立ち上がり時間 も同様の考え方で計算されます。
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正確な測定のためには、測定対象の信号の立ち上がり時間よりも、システム全体の立ち上がり時間が十分に速い(一般的に3〜5倍速い)必要があります。
3. 実用的な選択の目安
測定誤差を最小限に抑えるためには、以下のバランスで機器を選定するのが理想的です。
目的 | 推奨される組み合わせ |
余裕を持った測定 | プローブとスコープの帯域幅を、測定したい信号の周波数の3〜5倍にする。 |
プローブの選定 | プローブの帯域幅は、可能な限りオシロスコープの帯域幅と同等かそれ以上のものを選ぶ。 |
高速信号の測定 | 1GHzを超えるような高速信号では、公式よりも複雑な周波数特性(フラット応答など)が影響するため、メーカーが指定する「システム帯域幅」のデータシートを確認する。 |
4. 注意すべき落とし穴
グランドリードの影響: プローブ自体の帯域幅が性能を満たしていても、長いグランドリード(ワニ口クリップなど)を使用すると、インダクタンスによって帯域幅が劇的に低下し、波形にリンギングが発生します。
入力容量: 高周波になればなるほど、プローブの入力容量が回路に負荷をかけ、信号そのものを鈍らせる原因になります。
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