PAM4(パムフォー)は、4-level Pulse Amplitude Modulation(4値パルス振幅変調)の略で、デジタル通信における変調方式(シグナリング方式)の一つです。
従来の方式よりも効率的にデータを伝送するために開発され、データセンターや高速光通信の分野で広く採用されています。
仕組みと特徴
1. 信号レベル
従来のデジタル通信の主流であった NRZ (Non-Return-to-Zero) 方式が、2つの電圧レベル(High/Low)を使って 1ビットの情報を送るのに対し、PAM4は4つの異なる電圧振幅レベルを使って、1つの信号周期(シンボル)で2ビットの情報を送ります。
符号化方式 | 電圧レベルの数 | 1シンボルあたりのビット数 | 割り当て(例) |
NRZ | 2レベル | 1ビット | 0, 1 |
PAM4 | 4レベル | 2ビット | 00, 01, 10, 11 |
2. データ伝送速度の向上
PAM4の最大のメリットは、信号周波数(ボーレート)を変えずに、データ伝送速度(ビットレート)を実質的に2倍にできる点です。
例えば、信号を切り替える速度(ボーレート)が25ギガボーのとき、
NRZ:25ギガビット/秒 (1ビット/シンボル 25ギガボー)
PAM4:50ギガビット/秒 (2ビット/シンボル 25ギガボー)
これにより、伝送路の帯域幅の限界に近づいた高速通信(100GbEや400GbEなど)において、ケーブルや光ファイバーを増設することなく大容量化を実現できます。
メリットと課題
メリット (NRZとの比較) | 課題 (NRZとの比較) | |
帯域幅効率 | 同じボーレートでデータレートが2倍になるため、伝送路の周波数限界の影響を受けにくい。 | |
ノイズ耐性 | 4つのレベル間の電圧間隔が狭くなるため、ノイズ(雑音)の影響を非常に受けやすくなる(SNRが約低下)。 | |
複雑性 | 受信側で4つのレベルを正確に識別するための高度な回路設計(イコライゼーション、CDRなど)が必要になる。 | |
信頼性 | ノイズ耐性の低さから、エラーを訂正するためにFEC(前方誤り訂正)が必須となる。 |
主な用途
主にデータセンターやクラウドコンピューティングにおける、400ギガビット・イーサネット(400GbE)やそれ以上の超高速通信インターフェース(SerDes、光トランシーバーなど)で採用されています。
SDS7000A製品の紹介ページ⇒https://tm-co.co.jp/products/siglent-sds7000a/















