ソフトバンクグループ(SBG)のデータセンター構想は、2026年に入り「単なる計算拠点の建設」から、「電力・チップ・AIエージェントを垂直統合する国家規模のインフラ事業」へと劇的に進化しています。
現在進行中の主な構想は以下の3つの柱で構成されています。
1. 米国「80兆円」超巨大AIデータセンター計画
2026年3月20日、孫正義会長が米国オハイオ州で発表した、世界最大規模のプロジェクトです。
投資規模: 総額 5,000億ドル(約80兆円)。SBG単体ではなく、日米21社(パナソニックHDや三菱UFJ、ゴールドマン・サックス等)による「ポーツマス・コンソーシアム」を形成して推進します。
エネルギー自給: データセンターの隣に 9.2GW(ギガワット) という世界最大級の天然ガス発電所を建設。AIの爆発的な電力需要を自前で賄う構想です。
目的: 「世界で最も賢い知能(AGI)」を構築するための物理的基盤。米OpenAIとの連携も深く、同社の次世代モデルを動かすための専用インフラとなります。
2. Arm AGI CPUによる「AIインフラの垂直統合」
2026年3月24日に発表されたArm初の自社チップは、ソフトバンクのデータセンター戦略における「心臓部」となります。
脱・ライセンスモデル: これまでの「設計図を売る」モデルから、「自社製チップ(AGI CPU)をデータセンターに直接供給する」モデルへ転換。
エージェントAI特化: 推論効率をx86比で 2倍以上 に高め、データセンターの建設・運用コスト(CAPEX/OPEX)を大幅に削減します。
SBG内での完結: 「ソフトバンクが建設するDC」に「傘下のアームが作ったチップ」を載せ、「出資先のOpenAI等のモデル」を動かすという、圧倒的な経済圏を構築します。
3. 国内「北海道苫小牧」次世代AIデータセンター
日本国内では、ソフトバンク株式会社が主導する地域分散型DCの構築が進んでいます。
稼働予定: 2026年度内(2027年3月まで)。
特徴: 再生可能エネルギーの活用と、液冷技術の導入。
Telco AI Cloud: 通信ネットワーク(5G/6G)とAI計算基盤を融合させる構想。これには、デスクサイド型の NVIDIA DGX Spark で開発されたエッジAIモデルを、大規模クラウド側へシームレスに連携させる役割も含まれています。
ソフトバンクのAIインフラ戦略まとめ
階層 | 主要要素 | ソフトバンクの役割 |
エネルギー | 9.2GW発電所 (オハイオ) | 事業主・投資家 |
チップ | Arm AGI CPU | 親会社として開発を主導 |
計算機本体 | NVIDIA DGX Spark / GB200 | 国内独占販売・自社DC導入 |
モデル/サービス | OpenAI | 筆頭出資者・共同開発パートナー |
「AGI(人工汎用知能)の礎石になる」
孫会長が語るこのビジョンは、電力確保から半導体設計までを自グループで掌握することで、他社が真似できない圧倒的なコスト競争力と計算資源を確保することにあります。
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