💡 Co-Packaged Optics (CPO) へのセラミック基板の採用
Co-Packaged Optics (CPO) は、ネットワークスイッチのスイッチングASICと光トランシーバーの機能を一つのパッケージ内に統合する次世代技術です。1.6 T や将来の3.2 T 時代において、従来のプラガブル光モジュール(QSFP-DDなど)の限界を克服するために開発されています。
セラミック基板は、このCPOアーキテクチャにおいて、その極めて低い誘電正接(tan δ) と高い熱伝導性から、必須のコアコンポーネントとして採用が進んでいます。
1. CPOにおけるセラミック基板の役割
CPOでは、スイッチングASICと光エンジン(光信号生成・検出部)が非常に近接して配置されますが、セラミック基板は主に光エンジン側のサブストレートとして使用されます。
| 採用される主な部品 | 役割 | 理由(セラミックの優位性) |
| 光エンジンのサブストレート | 光エンジン用チップ(駆動IC、DSPなど) を搭載し、電気信号を光エンジンへルーティングする。 | 超低損失(低 tan δ): スイッチASICから光エンジンへの**200 Gbps /レーン**級の電気信号を、最小限の損失で伝送する必要があるため。 |
| 光導波路の基盤 | パッケージ内部で光信号を伝送するための光導波路(導波路構造を持つセラミックやガラス)を形成する。 | 高精度と安定性: 光導波路に必要な高い平坦性と、温度変化に対する優れた寸法安定性を持つため。 |
| 熱放散パス | ASICや光エンジンチップから発生する熱を効率的に外部へ逃がす。 | 高熱伝導率:1.6 T システム全体の高発熱に対応するため、窒化アルミニウム(AlN) などの高熱伝導セラミックが不可欠。 |
2. CPOにおけるセラミック採用の決定的な理由
CPOは、信号がパッケージ外に出ないため、従来のPCBやプラガブルモジュールで生じていた信号劣化と消費電力の課題を解決することを目的としています。セラミックは、この目的を達成するための最も効果的な材料です。
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超低損失伝送の実現: スイッチASICと光エンジン間の距離は数ミリメートルと極めて短いですが、200 Gbps /レーンではわずかな損失も許されません。セラミックの超低 tan δ 特性は、この短距離での完璧な信号伝送を可能にします。
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消費電力の削減: 損失が低いセラミック基板を使用することで、信号劣化を補償するためのDSP(デジタル信号処理) の処理負荷を軽減できます。これにより、DSPの消費電力が大幅に下がり、CPOの最大のメリットの一つである低消費電力化に直結します。
CPOの普及は、セラミック基板の高精度な製造技術とコスト効率の改善にかかっており、今後のデータセンターインフラの進化において重要な鍵を握っています。
APNは、IOWN構想が目指す「高速・大容量、低遅延、超低消費電力」な次世代のデジタル社会を実現するための「神経網」の役割を果たします。(NTT・NTTイノベーティブデバイス・NXTEC・古河電工・新光電気)
この動画では、オールフォトニクス・ネットワーク(APN)が従来の通信とどのように異なり、超低遅延や超大容量を実現するのかについて詳しく解説されています。
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