― 電源投入から安定した波形観測まで ―

はじめに

オシロスコープを初めて使用する際、多くのユーザーが最初につまずくのが「電源は入ったが、何をすれば波形が見えるのか分からない」という点です。

SDS7000A は高性能なオシロスコープである一方、設定項目も多く、目的を持たずに操作すると波形が表示されない、または不安定になることがあります。

本記事では、SDS7000A を使って最初に波形を表示し、安定して観測するまでの基本操作を、製品説明書の内容に沿って分かりやすく整理します。

 

 

この操作が必要になる場面

  • 新規導入後、初めて電源を入れたとき

  • デモ機・貸出機を短時間で立ち上げたいとき

  • 他社オシロスコープから乗り換えた直後

「とりあえず信号が見える状態」を作ることが目的です。

 

 

使用する主な機能(概要)

SDS7000A で波形を表示するために、最低限必要な設定は以下の4点です。

  • チャンネルの有効化

  • 垂直軸(電圧軸)の設定

  • 水平軸(時間軸)の設定

  • トリガの設定

これらはすべて、製品説明書で「基本操作」として定義されている項目です。

 

実際の操作手順

1. 電源投入と初期状態の確認

本体の電源を投入すると、SDS7000A は前回の設定を保持した状態で起動します。
中古機やデモ機の場合、意図しない設定が残っていることがあるため、最初にオートセット機能を使用すると操作が分かりやすくなります。

  • フロントパネルの [Auto] キーを押す

これにより、入力信号に応じた基本設定が自動的に行われます。

 

2. チャンネルを有効にする

波形を観測するチャンネルが有効になっていないと、信号は表示されません。

  • 使用するチャンネル(CH1〜CH4)のキーを押す

  • 画面上に該当チャンネルのトレースが表示されていることを確認する

未使用チャンネルはオフにしておくと、画面が見やすくなります。

 

3. 垂直軸(電圧スケール)の調整

垂直軸の設定が適切でないと、波形が画面外に出てしまいます。

  • 該当チャンネルの Volts/Div ノブを回してスケールを調整

  • 波形の振幅が画面内に収まるように設定する

信号レベルが不明な場合は、大きめのスケールから徐々に下げていくのが安全です。

 

4. 水平軸(時間軸)の調整

時間軸は、信号の周期や立ち上がりを観測するために重要です。

  • Time/Div ノブを操作して時間スケールを調整

  • 波形の周期が画面内に複数回表示されるように設定する

時間軸が細かすぎると、波形が流れて見えなくなることがあります。

 

5. トリガ設定の確認

波形が安定して表示されない場合、多くはトリガ設定が原因です。

  • トリガタイプ:Edge

  • トリガソース:観測しているチャンネル

  • トリガレベル:信号の中間付近

トリガが適切に設定されると、波形は画面上で静止して表示されます。

 

操作時の注意点

  • プローブの減衰設定(×1 / ×10)が本体設定と一致しているか確認する

  • GND クリップが確実に接続されているか確認する

  • 信号源が本当に出力されているか、他の測定器で確認する

これらは、波形が表示されない場合に最初に確認すべきポイントです。

 

 

よくあるトラブルと対処

波形が全く表示されない場合

  • チャンネルがオフになっていないか確認

  • 入力コネクタの接続を確認

波形が流れて止まらない場合

  • トリガソースとトリガレベルを再設定

ノイズだらけに見える場合

  • 垂直スケールを下げすぎていないか確認

 

 

フロントパネル概要(Front Panel Overview)

 

A. アナログ入力コネクタ
B. デジタル入力コネクタ
C. USB 3.0 ホストポート
 データ転送用の USB ストレージ、または操作用の USB マウス/キーボードを接続します。
D. プローブ補正端子/グランド端子
E. タッチスクリーンディスプレイ
 表示および主要な操作エリアです。詳細は「タッチスクリーンディスプレイ」の章を参照してください。
F. 操作パネル(ノブ・ボタン)
 ノブおよび各種操作ボタンで構成されています。詳細は「フロントパネル」の章を参照してください。
G. 電源スイッチ
H. チルトスタンド

 

 

 

 

リアパネル概要(Rear Panel Overview)

 

A. AC 電源入力端子
B. 10 MHz 外部基準入力
C. 10 MHz 基準信号出力
D. 内蔵 AWG 出力端子
E. AUX 出力端子
 トリガ表示信号を出力します。マスクテスト有効時は、合否(Pass/Fail)信号を出力します。
F. 外部トリガ入力端子
G. OCXO オプション接続インターフェース
H. USB 2.0 デバイスポート
 PC と接続し、リモート制御を行います。
I. ハンドル

 

 

 

 

サイドパネル概要(Side Panel Overview)

 

 

A. 1000M LAN ポート ×2
 ネットワーク接続によるリモート制御に使用します。
B. USB 3.1 Gen 1 ホストポート ×4
C. DisplayPort 1.2 映像出力端子
D. HDMI 1.4 映像出力端子
E. COM ポート
 内部デバッグ専用です。
F. DVI-D 映像出力端子
G. オーディオ端子
 Line In、Line Out、Mic In

 

 

 

まとめ

SDS7000A で最初に波形を表示するために重要なのは、

  • チャンネル

  • 垂直軸

  • 水平軸

  • トリガ

この4点を順番に確認することです。

複雑な機能を使う前に、安定した基本波形を確実に表示できる状態を作ることが、
その後の測定精度と作業効率を大きく左右します。

 

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